「替えの利かない人」になるか、「歯車として機能する人」になるか。
あなたはどちらを選びますか?
ほとんどの人が、前者である「替えが利かない人」と回答すると思います。
組織で働き、成長することを目的とした場合に、それは本当に正しい答えなのか。
本書「とにかく仕組み化」は、意識構造学で4000社以上の企業で採用されている「識学」3部作の第3弾。
組織と個人の「成長」をテーマに、
昨今忘れかけていた「厳しさの中にある本当の優しさ」を思い出させてくれる本です。
野暮ったい言い方をすれば、「古き良き昭和の雰囲気」と「令和の割り切った雰囲気」がコラボしましたという感じ……
識学3部作の中では少しマイルドな内容ですが、相変わらずパンチが効いています
- 人の上に立つ者のあるべき心構えがわかります
- 常に成長する個人・組織の仕組みがわかります
- 仕事に対する気持ちがピリッと引きしまり、やる気が出てきます(特に中間管理職)
\ それでは、いってみましょう
なぜ”仕組み化”が必要なのか
本書のタイトルにもある“仕組み化”ですが、巷でよく言われる「仕組みで儲けよう」という
ビジネスモデルの文脈ではなく、企業組織の中における“仕組み化”のこと。
上司からあまり結果の出ていない部下に対し、「もっと頑張ってください」、「なるだけ早く終わらせてください」、
と指示することってよくありますよね。
にもかかわらず、「部下が成長しない」、「状況が改善されない」ということがほとんどです。
この原因はなんなのでしょうか。
それは“仕組み”がないからです。
“仕組み”は“ルール”と読み替えてもいいと思います。
仕組み化が必要な理由①:人は弱い生き物である
人間であれば誰しもが持っている性質というものがあって、
その1つが、放っておくと「楽をしたがる」、「易きに流れる」、というもの。
本書では「性弱説」と呼んでいて、「人は悪いものではなく、弱いものである」という考え方です。
例えば、
「なるべく早く」の指示を「今日中」に変換したり、
「手が空いたら取り掛かかってください」の指示を「完全に暇になったら」と変換したり……
といった例がこれにあたります。
組織全体がこのような感じだと、上手くいかないことは説明するまでもない自明の事実。
もちろん、曖昧な指示に対しても120点以上の成果で返してくる優秀な人もいますが、
圧倒的な多数を占める「できない人」に合わせて、仕組みを作り、全員を活かしていこう!
というのが、“仕組み化”が必要な理由の1つ。
僕の仕組み化は…….
「勉強する時は、スマートフォンの電源を切る」
仕組み化が必要な理由②:組織は放って多くと“属人化”していく
強いリーダーシップのもとに会社の進むべき方針を示し、ガリガリと前に進めていく「カリスマ経営者」。
どんな状況でも与えられた目標を達成し、営業部の販売目標を牽引する「エース営業マン」。
普通に尊敬するし、カッコいいなぁ……と思いますよね。
ただ、裏を返すと特定の人に会社や部署の業績が依存した状況とも言えそうです。
カリスマ経営者やエース営業マンがいなくても、チームとして勝てる組織が優秀な組織です。
普通、人は「自分がいなくなったら会社が困る」という“替えの効かない人材”になりたがります。
自分のノウハウを進んで周囲に共有しようとは思わないんですよね。
そうして、仕事やノウハウの属人化が進んでいくと長期的にはどこかで限界がやってくる。
だからこそ、属人化を排除するための“仕組み化”が必要。これがが2つ目の理由になります 。
“仕組み化”する5つのポイント
“仕組み化”の必要性を理解したところで、
本書で解説されている“仕組み化”のポイント5つを紹介します。
①責任と権限を明確にする
まず、決めたことをしっかりと守り切るための仕組みとして、
「責任と権限を明確(=明文化)にする」必要があります。
責任も権限もないのに、声の大きい人の意見だけで意思決定がなされていく光景って見たことありませんか?
日常茶飯事です
こうなると、上手くいかなかった時の責任が曖昧になったりと、ということが発生してしまいます。
仮に部長が権限を持っていることであれば、部長の決定は絶対。
逆に、課長の権限の範囲で決めたことを、部長が後でコロッと覆すといったこともよくないのです。
仕事が属人化する要因となります。
②危機感を利用する
人を動かすものは「危機感」や「焦り」です。
この「危機感」を作り出すための“仕組み化”として、
①上司は部下との間に適度な距離感を保つこと、②制限時間を設けること(仕事に期限を設定する)、
の2点を仕組み化する必要があります。
「適度な距離を保つ」については、人は自分の知らない人に恐怖を感じる性質があるため、その性質を仕組み化に活用するイメージですね。
「制限時間を設けること(期限を設定する)」については、シンプルですが、どのような指示にも期限を設ける。
これがないと遅々として業務が前に進みません。
最近は、仕事が楽で成長を実感できない「ゆるいブラック企業」という新しい言葉が生まれているみたいです。
難しい世の中です。。。
③比較と平等に気をつける
人は「否が応でも他人と比較してしまう」という性質があるため、評価は絶対的に平等でないといけません。
また、目標や期待していたパフォーマンスを下回った場合は、降格や降給するようなメリハリの利いた評価制度を構築(=仕組み化)することが必要。
要するに信賞必罰ということだね。
やってもやらなくても評価は変わらないだと、みんなやる気がなくなっちゃう
④企業理念を再認識する
「お金さえ稼げれば仕事は何をやっても良い」。
確かにお金のため、生きるために仕事をしている側面があることは否定しませんが、
この考え方だけに染まった組織は、致命的な誤りを犯すことになります(ビ⚪︎グモー⚪︎ー)。
このため、しっかりとした企業理念を組織の中に浸透させる“仕組み化”が必要。
パーパス、ミッション、バリューの設定ですね
⑤進行感を感じる
組織で働くことの醍醐味は、社会に必要とされている実感を得つつ、一人ではなくみんなで前に進んでいる(成長している)ことを感じること。
これを本書の中では「進行感」と定義しています。
この「進行感」を得るためには、組織内で「替えの利かない人」になるより、「組織の歯車として機能する人」
となることを選択するべきだ……というお話。
正直、この論点は抽象度が高過ぎて理解できてません😅
進行感を感じる必要があるのはもっぱらプレーヤー自身が“仕組み化”する話と理解したけど合ってるかな?
(まとめ)組織も個人も生きることの意味は“成長”
識学3部作の最終巻「とにかく仕組み化」を読み終えたので、最後に識学全般に対する個人的な感想でも書き連ねてみようと思います。
まず、“識学”という意識構造学(組織論ともちょっと違う)は、
組織と個人が永続的に“成長”することを1番大事な価値観(パーパス)に据えた考え方なんだなと理解しました。
もう1つ識学の考え方の特徴を挙げるとすれば、
“組織あっての個人(個人あっての組織ではない)”という考え方。
3冊の本を読みながら、“自分らしさ”や“多様性”が重視される最近の風潮からすると、
少し棘があるというか、特異に感じる部分もあったのですが、
しっかりと読み込むと、別に個人主義を否定しているわけでも、
ルールを厳格化して、ドライで硬直的な組織を作ろうとしているわけではないことがわかります。
「どちらも重要な要素だけど、優先すべき考え方の順番があるのだ」ということなのだと理解しました。
正直なところ、識学3部作で解説されていることの全てをいきなり採用してしまうと、
従業員のエンゲージメントは間違いなく下がるだろうと思います。
普段、運動しない人がいきなりフルマラソン走るような感じですね
なので、共感できる部分や自社(自分)に不足していると感じる部分を、
少しずつ採り入れていくことがポイントになるのではないかと思います。
そもそも、“成長”というキーワードにピンとこない方や、
“成長”を目的としていない非営利団体などには当てはまらない考え方です。
私は40を過ぎて、世の中も変わって、管理職になって、若い頃から色々と考え方も変わってきていますが、
識学の考え方は、そんな自分の中のバランスを取り戻すことに貢献してくれたかなぁと感じています。
全てのビジネスパーソンにとって必要な考え方であると間違いなく言える内容なので、
一度読んでみることをおすすめします(特に中間管理職の方におすすめです)。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました〜。
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