米マイクロソフトでエンジニアとして働く著者が、
「生産性を上げること」をテーマに、仕事のできる人たちの考え方を紹介。
共感できる点が多く良い本でしたので、自分なりの視点を加えつつ書き連ねます。
2023年10月に出版された比較的新しい本ですが、結構売れているみたいですね。どの本屋でも目立つところに置いてあります
ずばり、本書を読むと次のことがわかります。
- 生産性が上がる思考法やノウハウ
- 最先端企業における働くことに対する価値観と仕組み
→サクッと内容を知りたい方は、最後のまとめへGO🏃♀️💨
- 新しい価値観に触れて一皮剥けたい方
- もっと効率的に働きたい方
- 「仕事ができる人」になりたい方
\ それでは、いってみましょう
本書は、生産性を上げるためのTIPS集のようになっています。
そこで、「個人」と「組織」の2つに切り分けて、参考にしたい部分を紹介します。
個人のとしての心得
個人の働き方として参考になったのは以下の3点です。
- 試行錯誤する前に、しっかりと理解する
- 知らないことを恥じず、知っている人に進んで聞くようにする
- マルチタスクよりシングルタスク
当たり前な内容かもしれないけど、いざ実践しようと難しいのがこれらrだと思います
その①:試行錯誤する前に、しっかりと理解する
突然ですが、あなたは、「とりあえずやってみる派」でしょうか?
もしくは、
「事前にしっかりと目的や仕組みを理解した上で取り掛かる派」でしょうか?
置かれた状況によって、どちらも正解になり得ると思いますが、
「生産性を上げる」という文脈であれば、「事前にしっかりと目的や仕組みを理解した上で取り掛かる派」、が正解。
そもそも「理解する」ということは、
- 他人に説明することができる
- いつでも使うことができる
- 応用ができる
ということだと著者は言います。
「理解」していないとどうなるのでしょうか?
目の前の仕事をなんとかこなすことができても、あくまでその場しのぎに過ぎず、
同種の少し異なる仕事をこなすことができない。
1からまた調べることになり、生産性が上がることがありません。
米マイクロソフトに勤める一流エンジニアも、新しいコードを書き始める前に、
「徹底的に、必要な仕組みを理解」してから作業に取り掛かる人が多いとのこと。
焦らず、まずはしっかりと理解しよう!
その②:知らないことを恥じず、知っている人に進んで聞くようにする
日本では、誰かに聞く前にまずは「自分で調べる」ことの重要性を口酸っぱく言われます。
安易に聞いて教えてもらうと、自分の身にならないという思考ですよね。社会人になりたての時、先輩に随分と怒られたなぁ……
学校でも、わからないときは、まずは辞書を引いて調べなさい。自分で考えなさいと教わるよね!
しかし、アメリカでは「クイックコール」という考えがあって、
わからないことがあったら、むしろ「すぐに聞く」ことが推奨されているそうです。
その根拠は、音声にはテキストの100倍以上の情報量があり、
双方向のインタラクティブ性が高いため効率的だ、というもの。
確かに、生産性を上げるという文脈であれば、
最初に聞いて、その後に自分で調べた方が良さそう
ブログよりもYouTubeや音声SNSが流行っているのも、このような背景
その③:マルチタスクよりシングルタスク
ワシントン大学のジョン・メディナ氏の論文によれば、マルチタスク作業者には、
- 生産性が40%低下する
- 仕事を終えるまでの時間が50%増加する
- ミスの発生が50%増加する
といった傾向があるそうです。
これは実体験としても理解できる一方、最近はビジネスチャットが社内コミュニケーション主の流となってますし、
作業中にさまざまな連絡・指示が来て、意図せずにマルチタスクになってしまうことはよくあります。
やることがちょいちょ変わると、脳をその都度切り替える必要があるので疲れちゃうんですよね
対処法としては、
「1日の中でメールやチャットを確認する時間をあらかじめルールとして設定しておく」ことがベストですが、
私の場合はポモドーロテクニックを活用しています。
ちなみに、「脳は単調な作業を延々と継続することも苦手」。
脳には、「最初と最後の出来事のよく記憶する」という性質があるので、25分毎に休憩をとるポモドーロ法には、
さまざまなメリットがありそうです。
ちなみに、ポモドーロはトマトのことだよ
組織としての心得
個人をコントロールする組織から、個が自律的に躍動する組織を目指すために参考になった考え方は以下2点です。
- 失敗に寛容な組織を作る
- サーバントリーダシップ
その①:失敗に寛容な組織を作る
あなたは、「失敗」という言葉を聞いて、どんな気持ちになりますか?
ちょっと胃が痛くなる、なんてことはないでしょうか。
でも、その考え方、そろそろアップデートの時期かもしれません。
失敗を厳しく咎める…それって、まるで中学生の頃、悪い点数のテストを親に隠したくなるような感覚ですよね。
「見つかったらどうしよう」とヒヤヒヤしながら、机の引き出しの奥にテスト用紙を押し込んだ経験、
誰にでもあるのではないでしょうか。
あるあるだー
しかし、ビジネスの世界でそんなことをしていたら、大変なことになります。
失敗を恐れるあまりチャレンジしない、あるいは失敗を隠蔽する…
これじゃあ、まるで成長のブレーキを思いっきり踏んでいるようなものです。
人間である以上、誰もが間違える、失敗する。
これは、太陽が東から昇るのと同じくらい当たり前のことです。
むしろ、失敗しない人間の方が怪しいくらいです😅。
海外では、失敗を「悪」とは捉えていません。
むしろ、「失敗も含めて、その取り組みから得た学びをシェアすることこそが価値であり、会社の財産だ」という考え方が主流なんです。
著者は、「結果を出す」ことから「(結果を含めた)価値を出す」ことへのマインドチェンジが必要だと説いています。
つまり、ゴールだけでなく、そこに至るまでの道のりも含めて評価しようということです。
登山で言えば、山頂に到達したかどうかだけでなく、その過程で見つけた新しいルートや、
克服した困難も含めて価値あるものとして捉えるわけです。
ちなみに、「失敗」から学ぶ組織と学べない組織の違いについて、もっと深く知りたい方には、マシュー・サイド氏の「失敗の科学」をおすすめします。
失敗を恐れず、むしろ積極的に活用している組織の秘密が詰まっていますよ
さあ、明日から、失敗を恐れずにチャレンジしてみませんか?
もちろん、わざと失敗しろという意味ではありません😅。
でも、たとえ失敗しても、そこから学び、成長する。そんな前向きな姿勢が、きっと新しい扉を開くはず。
失敗は終わりではなく、新しい始まり。そう考えれば、仕事も人生も、もっと楽しくなるかもしれませんね。
その②:サーバントリーダーシップ
従来のリーダーといえば、高いところから指示を出す司令塔のイメージでしたよね。
でも、サーバントリーダーは違います。
チームの中に入り込んで、メンバーの能力を引き出し、互いの信頼関係を築くことに重点を置くんです。
オーケストラの指揮者が、一人一人の演奏者の音を丁寧に聴き、全体の調和を図るよう感じをイメージするといいかも
サーバントリーダーシップが根付いた組織では、
リーダーは大きなビジョンとKPIを示すだけで、細かい指示は出しません。
「どうやって目標を達成するか」は、チームに任せるんです。
目的地だけ決めて「さあ、みんなで最適なルートを探そう!」というわけです。
伝統的なリーダーシップも、みんなが同じ方向を向いていれば良かった時代には機能していました。
でも今はVUCA(変動性、不確実性、複雑性、曖昧性)の時代。
環境が目まぐるしく変わる中で、チームが自ら考え、自ら動く「自立型組織」が求められているんです。
サーバントリーダーシップを上手に実践できている組織は、まるで生き物のように柔軟に動き、
効率的に成果を上げています。
従業員満足度も高い傾向があるらしい。
サーバントリーダーシップはは魔法の杖ではありません。
リーダー自身の成長と、組織文化の変革が必要です。
でも、その努力は必ず報われるはず。
みなさんも、明日から少しずつ「サーバントリーダー」を意識してみませんか?きっと、新しい発見があるはず
伝統的なリーダーシップとのイメージの違いはこんな感じです。
まとめ
本記事の内容をまとめると以下の通りです。
- 生産性を向上させるためには、試行錯誤する前にしっかり理解し、知らないことを恥じずに聞き、シングルタスクに集中すること
- 生産性の高い組織は、失敗に寛容で学びを共有する文化を持つ。 失敗を悪とせず、そこから得られる学びを会社の財産と考える
- VUCAの時代に対応するためには、チームメンバーの能力を引き出し、信頼関係を築くことに重点を置くサーバントリーダーシップスタイルが良い。チームが自ら考え、動く組織づくりが求められている。
- 個人の生産性向上と組織文化の変革を同時に進めることで、効率的で満足度の高い組織が実現しよう
本書の特徴は、世界の一流エンジニアと呼ばれている人々の仕事の進め方が紹介されている点にあります。
ただし、エンジニアやIT業界に限った話ではなく、普遍性のある内容だとも感じました。
後半は、著者の牛尾さんが具体的に実践させている働き方、1日の過ごし方などが紹介されています。
生産性を向上させるノウハウ本としても価値がありますし、何より文章が読みやすいです。
爆売れしていることにも納得。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました〜。
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