日本にはびこるプレーイングマネージャーとはなんでしょうか?
営業部でいえば、売上を上げるために自ら顧客を訪問するプレーヤーと、部下や組織を管理するマネージャーの役割の両方を持つポジションのこと。
「優秀なプレーヤーが優秀なマネージャーだとは限らない」とかもよく聞かれる言葉です。
どうすれば、優秀なマネージャーとなって組織に貢献することができるのか。
今回紹介する「リーダーの仮面」は、本来あるべきマネージャーの役割を理解し、優秀なマネージャーとなるための指南書です。
かなりとんがった主張も含まれているなぁという印象を持ちましたが、どれもおっしゃる通りな内容。
最後は、読んで大変ためになりましたので紹介していこうと思います。
この記事を書いているGeroge(父)は、都内在住のサラリーマン(管理職)。通勤電車のほぼ全てを読書に費やし、ビジネス書を中心に年間100冊程度の本を読んでいます。(プロフィール)。
一応、私もマネージャーです
- 最近、マネージャー(管理職)に昇進された方
- 思い通りに動いてくれない部下のマネジメントに悩んでいる管理職やリーダー
- どんどん、出世したい!向上心旺盛な方
\ それでは、いってみましょう
優秀な人ほど犯しがちなリーダーとしての2つの過ち
本書には、成果を上げるための組織に必要なリーダーになるための思考法が解説されています。
本題に入る前に優秀な人ほど犯しがちなリーダーとしての過ちを2つ頭に入れておきましょう。
- 部下を手取り、足取り指導してしまう人
- 部下についてこさせようとする人
1つ目は、面倒見が良くて良いリーダーな気がするけど……
2つ目も、責任は俺が取る!的な男気があって良いリーダーな気がする……
本書の冒頭で、上記のようなタイプのリーダーは言語道断。
❶は部下が思考停止となり成長しない。
❷はいわゆる俺の背中を見て育てよ!的なタイプですが、そもそもがプレーヤー気質が抜けておらず、リーダーの役割を果たしていない、とバッサリと切り捨てられています。
うぅぅ…頭が痛くなってきた
だとした場合、リーダー(=管理職)はどのような役割を担い、マネジメントを行うべきなのでしょうか。
ここからが本書の本題です。
リーダーがフォーカスするべき5つの視点
「理想のリーダーの要素を挙げてください」と聞くと、“カリスマ性”や“人間的な魅力”と回答される方が多いのではないかと思いますが、このような才能は一切不要。
ちなみに、本書の中でのリーダーの仕事・役割を、
と定義したうえで、
チームの成果を最大化するためにリーダーが取り組むべきことは以下の5点に集約されるとといいます。それは……
❶ルール、❷位置、❸利益、❹結果、❺成長
の5つ。それぞれ、掻い摘んで説明します。
❶ルールを決めて守らせる
チームにはルールが不可欠。
リーダーの大事な仕事の1つ目は、“チーム内のルールを決めて守らせること”。
ルールと聞くと、何やら窮屈な印象を受けてしまいますが、冷静に考えるとルールがあるより、ルールがない方がストレスになる傾向にあります。
夏休みの宿題で、自由研究が1番嫌だったなぁ。
これとあれをやってこいと指示され方が間違いなく楽ちん
しっかりとしたルールをリーダーが作り、メンバーが守ることにより、メンバーが無駄に上司の顔色を伺ったり、メンバー同士で疑心暗鬼になったりと、ギスギスした雰囲気になることを防ぐことができます。
上司のカリスマ性や人間的魅力で支えられているチームでは、上司が変わった瞬間にメンバーのモチベーションが下がって成果が落ちてしまうのだ
なお、ルールを決めることが重要であると行っても、間違ったルールを設定しては逆効果。
ルール作りのポイントは、2つ。
1つは、自分が主語のルールを作ること。
「宿題をやらないと、お母さんに怒られるよ」みたいな言い方はNG。
「お母さんにバレる可能性がなければ、宿題やらなくていいや」
となるよね
「学校から帰ってきたら、遊ぶ前に宿題を終わらせる」という毅然としたルールを設定するのが正解です
もう1つは、「誰が、何を、いつまでに、やるかを明確にする」こと。
「手の空いている人がお風呂掃除をやりましょう!」というルールではダメ。誰もやりません。
「お兄ちゃんが、お風呂掃除を、毎日17時までやること」というルールが正解です。
そんなめんどくさいことできるかー!と反発したくなるけど?
反発を受けようが受けまいが、チームのルールを決めるのがリーダーの役割。部下に好かれようとしてはいけない
❷リーダーの位置を確認し、部下とは適切な距離をとる
最近は、1on1ミーティングだったり、360度評価などが流行していますが、本書では、これらは不要であると断言しています。
最初のうちは、とんがった主張だなぁと感じました
でも、読み進めていくうちになるほどな、と思うようになりました。
一定程度の規模の会社になると階層の厚みはいろいろあれど、基本はピラミッド組織になっているはずです。
組織はピラミッド型なのに現場はティール型(=多様性と自由度の高い柔軟な組織)であるとチグハグなことに。
リーダーは、部下とは一定の距離を置くことが必要で、部下に好かれようと適切な指示が出せずにいればピラミッド組織は機能しなくなってしまいます。
❸メンバーの意識を組織の利益に向かわせる
個々の働く動機は、「楽しさ」、「やりがい」、「お給料」……
など個人によって異なりますが、結局のところ人の行動のきっかけは、「自分に利益があるかどうか」。
したがって、「個人の利益=組織の利益」という等式を成立させることがリーダーの大事な役割。
そのためには、「組織あっての個人」であるということをしっかりと胸に刻む必要があります。
楽しく働ければ良いと考えている個人に対し、厳しい仕事を与えたら、それは利益が合致しないように見えるけど……
個人と組織における共通の利益とは何か、それは「成長」です。
個人の成長が組織の成長につながり、組織の成長の果実が個人のさらなる成長や待遇面の改善につながる。
リーダーは「組織と個人の利益が利益相反を起こしていないだろうか」という点で絶えず監視する必要があるというのが本書の主張。
難しそう
❹結果だけをみて評価する
タイトル通りですが、プロセスはあえて見ずに、結果だけを評価することもリーダーの大事な役割。
これを徹底することにより、社内で人気のある人や上司へのゴマすりが上手い人が評価されることがなくなります。
個人は組織から労働の対価をもらっているのだから、結果がすべて。一方、子育てはプロセス評価が大事。混合しないように気をつけよう
テストの結果だけで評価されるのはしんどいよね
プロセス管理をやめて、結果だけを管理するようになると、
進捗していないのに、期待を持たせる報告を部下が上司にしてしまったり、労働時間の多寡をアピールするような意味のない風潮がなくなります。
“目標はできる限り数値化し、プロセスには口を出さず、結果だけで評価する’’。
これがリーダーのあるべきスタンスです。
❺健全な競争を生み出し、成長を促がせ
❶〜❹の考えが理解できれば、健全な競争環境のもと、個人が成長し、その結果組織が成長していく好循環がいかに大事であるかがわかりますよね。
部下が5人いる場合、部下が1人あたり20%成長すれば5人が6人になることと一緒。チームメンバーの成長はリーダーの最重要ミッションです
好き嫌いではなくて、結果で評価。メンバーを平等に扱うことが健全な競争環境を築く上でのポイントです
以上が、本書で紹介されているリーダーがフォーカスすべき5つの視点になります。
まとめ
リーダーがフォーカスすべき5つの視点。どのように感じられましたか。
どれも正論ではあるけれど、これを貫徹するのは大変だよね
実は、これらを貫徹するための思考法(=リーダーの仮面)という名の武器を提供してくれているのが本書を読む最大のメリットになります。
例えば、チームメンバーから、
「なぜ、その仕事は私がやるのでしょうか。もっと適任者がいるはず」
「忙しくて、これ以上新たなことには取り組めません」
「モチベーションが上がりません」……などなど、様々な不平不満を受けることが多いと思いますが、
これらに対する対応方法や思考法が紹介されている感じです。
「上司が部下に寄り添ってはいけない」、「結果だけで判断」、「1on1ミーティングと360度評価は不要」
といった、一見、働き方改革に逆行するような記述にドキっとしましたが、個人的にはたくさんの気づきがありました
ちなみに、著者の安藤広大氏は、2019年に東証グロース市場(当時はマザーズ)に上場した、株式会社識学の代表取締役。
本書の内容は、社名となっている「識学」という独自の組織経営理論に基づいたものになっています。
興味が出てきたので、安藤氏が書いた以下の本も読み進めていきたいと思います。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました〜。
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