【書評No.62】なぜ人間だけが肥満になるの!? 「食欲人」 

最近読んだ「食欲人」という本が面白かったので久々に書評。

この本のテーマはずばり、「食欲の謎にせまる」です。

いきなりですが、心臓病や糖尿病の原因となる“肥満”って、多くは人間だけの問題の様な気がします。

なぜ、人間だけが”肥満”になるのか。

→すぐに答えが気になる方は、最後のまとめへGO🏃‍♀️💨

この記事(本)はこんな人におすすめ
  • どうして人間だけが食べ過ぎるのか?
  • 肥満がはびこる原因はなにか?
  • 食べても食べても満腹感が得られないのはなぜか?

このような疑問を少しでも持ったことがある方

George(父)

内容もさることながら、仮設と検証が繰り返さる過程がとても勉強になりました。実験や研究のあるべき姿を見た感じ

この記事を書いているGeroge(父)は、都内在住のサラリーマン。通勤電車のほぼ全てを読書に費やし、年間100冊程度の本を読んでいます。また、家庭菜園も大好きです(プロフィール)。

けー(中1長男)

本書に触発され、ChatGPTの機能を使った「最適なレシピを提案するアプリ」も作ったので、興味がある方はぜひ試してみて!

\ それでは、いってみましょう

目次

生物は最適な栄養バランスを保つための能力を持っている

シドニー大学の栄養生態学教授である著者が、バッタを使ったある実験をしました。

その実験とは、

バッタに、炭水化物とタンパク質が異なる比率で含まれている餌を一定期間与え、その間にバッタが摂取した餌の栄養分を分析するというもの。

結果は、異なる餌を食べたどのバッタも、摂取した栄養素(タンパク質と炭水化物)の割合がある一定の水準に収束しました。

同じような実験を、ゴキブリやハエ、コオロギで実施したところ同じ傾向を示したことから、

「生物は、生きる上で最適な栄養バランスを保つための能力を持っている」ことがわかりました。

タンパク質欲は、動物に普遍的な欲求

実験の過程で、あることに気づきます。

それは、生物はその置かれた食環境によって毎日食べるものが異なるのにもかかわらず、

ある特定の栄養素が満たされるまで食べ続ける傾向にあることがわかりました。

その栄養素が「タンパク質」

タンパク質が不足すると共喰いするバッタ

バッタやコオロギなど、共喰いをする昆虫がいます。

とはいえ、いつも共喰いをしているわけではありませんよね。

では、どういった時に共喰いをするのでしょうか。

けー(中1長男)

お腹が減って死の危険を感じた時?

実は、「タンパク質」が極端に欠乏した時なんです。

また、タンパク質の含有量が極端に少ない食事だけを与えられたバッタは、

必要なタンパク質を摂取できるまで食事を摂り続け、必要以上のカロリーを摂取し、肥満になりました。

同じような傾向は、細菌から霊長類(オラウータンなど)まで見られることから、

人間を含む生物は「タンパク質」が満たされるまで食べ続けてしまう

つまり、生物の食欲は「タンパク質」が基準となっているのです

けー(中1長男)

ほぇ〜
でも、「タンパク質」ってそもそもどんな栄養素だったけ?

George(父)

タンパク質は、「炭水化物」、「脂質」と並ぶ3大栄養素のうちの1つ。
“筋肉・臓器・皮膚・毛髪などを構成する成分であり、ホルモン・酵素・抗体などの体の調節機能成分”。生物全般に欠かせない栄養素だとされているよ(厚生労働省

人間が肥満になる原因は超加工食品にあった

けー(中1長男)

食欲はタンパク質欲にコントロールされていて、生物はタンパク質欲が満たされるまで食べ続けちゃうことはわかったけど、生物って本来、最適な栄養を摂取できる能力があるわけだよね?
どうして人間だけが肥満になってしまうの?

George(父)

その原因は、「超加工食品」の存在にあるんだよ

東京大学の研究発表において、

超加工食品は、「複数の食材を工業的に配合して製造された、加工の程度が非常に高い食品」のこと

と定義されてます。

ソーセージや菓子パン、清涼飲料、アイスクリーム、チョコレート、キャンディやグミなどが代表的なもの。

これら超加工食品には、人間の食欲をそそる人工甘味料や添加物が多く含まれている一方、タンパク質が少ない

という特徴を持っています。

要するに、低タンパク質・高いカロリーな食べ物なのです。

けー(中1長男)

どれも美味しいものばかり、デスネ……

George(父)

食欲をそそる低タンパク質食材に囲まれていることが、人間を過剰なカロリー摂取に向かわせ、結果として“肥満”になってしまうということなんだね

まとめ

なぜ、人間だけが肥満になるのか?

まとめると以下の通りです。

  • 動物は数ある栄養素のうち「タンパク質」を第一に満たそうとするタンパク質ターゲット(=タンパク質欲)を持っており、必要なタンパク質を摂取するまで食べ続ける
  • ただ、本来、生物は生まれながらにしてタンパク質を含む適切な栄養バランスを保つための能力が備わっているため、“肥満”になることはない
  • 一方、人間は、「食の工業化」が進んだことを背景に、本来の食環境が破壊され、この能力を著しく阻害されてしまった
  • 人間の食環境を破壊したもの、それは、「超加工食品」である
  • 「超加工食品」は、安価な超加工脂肪や炭水化物(糖)により不自然な美味しさを演出するため、低タンパク質、高カロリーな食品となっいる
  • これが、人間だけが“肥満”となる主な原因であると考えられる

低タンパク質な食事ばかりをとっていると、必要なタンパク質量を摂取するまで食欲が抑制されず、

結果としてカロリーオーバーとなって”肥満”になってしまう。

これが人間だけが肥満になるメカニズムでした。

けー(中1長男)

なるほどー。これかからは、高タンパク質な食事を心がけよう!

George(父)

そう思うのが自然だけど、
タンパク質を摂取し過ぎるのもまた問題があるのです…….

最後は、子供の頃に教わった、「バランスの良い食事を心がけましょう」が結論だと個人的には思っていますが、

その理由は、ぜひ本書を読んで確認してみてください。

本書を読んで、健康な食事に対する感覚が研ぎ澄まされたからか、少し痩せた気がします(笑)

けー(中1長男)

最後まで読んでくれて、ありがとうございました〜。
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この記事を書いた人

40代都内サラリーマン🧑‍💼 妻1人、子供3人の父
新しいもの好きで飽きっぽい性格。人生とことん楽しむために、仕事も頑張る
座右の銘は「知らぬが仏、忘れるが勝ち」
↓このあたりをテーマに不定期に配信します
読書、家庭菜園、家族、Python、機械学習、筋トレ

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