1981年に出版され、世界で2500万部も売れた「窓ぎわのトットちゃん」。
トットちゃんこと黒柳徹子さんが通った、小学校「トモエ学園」を舞台にした物語です。
トモエ学園には、小林宗作さんという素晴らしい校長先生がいらっしゃって、
自由奔放なトットちゃんが繰り広げる、楽しく可愛らしいくも、ちょっと切ないエピソードが繰り広げられます。
小林校長先生がトットちゃんにかけた、
「きみは、本当は、いい子なんだよ」、
「君は絶対に、できるからね」、
のエピソードは、いつ、何回読んでも感動しちゃいます。

「窓ぎわのトットちゃん」を読んでいない方は、以下の記事をどうぞ


本書は、トモエ学園が東京大空襲で消失した後のトットちゃんを描いた物語。
相変わらず、心に訴えかけてくる素晴らしい内容でしたので、感じたことなど記事にします。
この記事を書いているGeroge(父)は、都内在住のサラリーマン。通勤電車のほぼ全てを読書に費やし、年間100冊程度の本を読んでいます。また、家庭菜園も大好きです(プロフィール)。
- 窓ぎわのトットちゃんを読んだことがある人
- なんとなく、ほっこりしたい方
- 黒柳徹子さんのことが大好きな方
\ それでは、いってみましょう


(前半)トットちゃんの戦争体験
前半は小学生だったトットちゃんが見た戦争体験。
黒柳徹子さんが本書を執筆したきっかけの1つは、「戦争のことを書き残しておきたい」と考えたからとのこと。
いろいろと考えさせられました。
十五粒の大豆
戦争前から始まっていたお米の配給制度。
戦争が長引くと、
さつまいも、大豆、トウモロコシ、コーリャンなどが代用食として配給されるようになったそうです。
いつからか、トモエ学園に持っていくお弁当が白いご飯から大豆に代わり、
「それはもう空腹に苦しめられた」トットちゃん。
1日の食事として親からもらった大豆十五粒を、いつ食べようか思案するトットちゃん。
寒いし、眠いし、お腹が空いて泣いていると「おまわりさんに怒られる」。
戦争を体験したことのない自分には想像もつかない世界。



大豆十五粒で何日も過ごすことができる人が、今の日本に何人いるのかな…(戦争なんてできない)
東京大空襲
太平洋戦争末期の1945年。東京大空襲。
「その夜の空は恐ろしいほどの赤さだった。あまりの明るさに、トットは防空壕を飛び出して家に戻り、ランドセルから本を出して庭の真ん中で広げてみた。そうしたら、ちゃんと本が読めた」
(引用:続 窓ぎわのトットちゃん「東京大空襲」)
比較的裕福だったトットちゃんの日常が、一瞬で戦争の暗い影に飲み込まれていく様子は、
ウクライナやガザの戦争映像と重なる部分もあって色々と考えさせられる内容でした。
一人ぼっちの夜行列車
お父さんも出征し、残されたトットちゃん一家は疎開することを決意。
疎開先のあてもない中、当時はまる1日かかる青森・八戸までの逃避行。
あまりの混乱に、幼い弟と妹を連れたママと同じ列車に乗ることができず、1日遅れの列車で青森に向かうトットちゃん。
当時は、各地の駅や鉄道が米軍機の標的になっていた時期。
小学生が一人夜行列車に乗っていた心境は、本書で綴られている以上に心細かったはずだと想像します
トットちゃん一家の逞しさに感服。



不自由ない今の生活に感謝しないとなぁ
ママの頑張り
疎開先でのトットちゃんのお母さんの頑張りが際立っています。
農協で働き、東京ー青森間で行商に勤しみ、最後は東京で焼けてしまった家を再建してしまうママ。
尊敬以外の言葉が見つからず……



この疎開先のエピソードを読んで、人が暮らしていく上で必要な「食」は、「都市」ではなく「地方」にあるという現実を痛感しました。
東京は、本来の人が住むところじゃないのかも……
(後半)咲くはわが身のつとめなり
後半は、トットちゃんが試行錯誤を繰り返しながら、
自分が本当にやりたいことを見つけていく過程がおもしろく描かれています。
どんな時も、トモエ学園の小林校長先生に言われた、
「きみは、本当は、良い子なんだよ」、という言葉と、
ママに言われた、「トットの良いところは素直なところ」、という2つの言葉に忠実なトットちゃん。
どんな時も「自分らしさ」を失わないところがとても魅力的です。
「自分らしさ」を貫いているのに、周囲の人を傷つけたりしていないところに惹かれるんだろうなと感じます。
トットちゃんがNHKへ入社した後に、頑張りすぎて過労で入院した際のエピソードだったと思いますが、
「死ぬまで病気にならないためにはどうすれば良いか?」とトットちゃんから問われたお医者さんから言われた、
「自分の好きなことだけやって生きていくこと」という助言が印象に残ってます。



トットちゃんの人生そのもの
まとめ
前々から読むことを楽しみにしていた「続 窓ぎわのトットちゃん」。
相変わらず、黒柳徹子さんの文章は読みやすいし、可愛らしいし、ほんと素晴らしいです。
本作は、戦争の悲惨さを書き残しておきたいという黒柳さんの想いもあって、
戦争について色々と考えさせられる内容になってますが、ほっこりとするエピソードも随所に散りばめられています。
トットちゃんの周りには、必ずと言って良いほどトットちゃんを応援してくれる人が登場しますが、
これもトットちゃんの自分に素直な生き方に魅せられてのことなんですかね。
生活や人生に疲れた時に読むと元気が出ること間違いなしです。



最後まで読んでくれて、ありがとうございました〜。
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