「寝る子は育つ」、「早起きは三文の得」、「果報は寝て待て」、どれも「睡眠」の効能を伝えることわざ。「睡眠」が大事なのはなんとなくわかっているけど、忙しいし、誘惑も多いしと、日々「睡眠」を犠牲した生活を送っている方は多いのではないでしょうか。
この本を読んで睡眠の重要性に気づいてからは意識して7時間弱寝るようにしていますが、数年前までの睡眠時間は平均5時間程度でしたね。
これまで読んだ睡眠に関する本の中では、こちらの本が1番だと思ってますので、ご紹介したいと思います。
私Geroge(父)は、都内在住のサラリーマン。通勤電車のほぼ全てを読書に費やして、年間100冊程度の本を読んでいます(プロフィール)。
この本を読んで、自分が体に悪いことばかりをしていたんだなぁと気づき、ぞっとしました
ビル・ゲイツさんもおすすめしている本なんだね
- 世の中、睡眠ブームみたいだけど、本当に重要なの?
- 睡眠や夢の知られざる効能を知りたい人
- 睡眠との向き合い方に悩んでいる人
\ それでは行ってみましょう /
- タイトル:睡眠こそ最強の解決策である
- 著者 :マシュー・ウォーカー
- 出版年 :2018年
- 出版社 :SB Creative
- 評価 :⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️(5)
眠りはなぜ必要なのか?(メリット)
①よく眠ることは、記憶力を高める
脳の中で新たに勉強したことや学んだことを一時的に記憶する役割を担っているのが、「海馬(かいば)」という部分。
ただ、この海馬にも容量があるため記憶できる量には限界があります。このため、海馬で記憶した情報については、定期的に長期かつ大容量を記憶しておける「大脳皮質」に移し、海馬の容量を空ける必要があるのです。この海馬をリフレッシュ作業を促進するのがほかならぬ睡眠。睡眠の中でも、特に浅いノンレム睡眠(ステージ2下図参照)が大事な役割を果たしているとのこと。
海馬と大脳皮質の関係では、理化学研究所のこちらの研究成果にも同様の内容がありました。
個人差はあるけど、ノンレム睡眠(深い眠り)とレム睡眠(浅い眠り)が交互に一定のリズムで繰り返されているんだね。
ちなみに、若者が朝寝坊し、早起きする理由もちゃんとあるみたいです。詳しい説明は本書を読んでいただくとして、カンタンにいうと、生まれながら持っている体内時計(概日リズム)と眠りに誘う「睡眠圧(アデノシン)」の推移が影響していいるとのこと
10代の子供に夜の22時に寝なさい、ということは親に夜の19時とか20時に寝なさいといっていることと同義なんだって。逆に、朝の6時に起きなさい、ということは、親が3時とか4時に起きることと同義。
寝坊は悪くないのだ
一夜漬けの知識をすぐに忘れちゃうのは、しっかりと眠らないのが原因なんだね(しれっと初登場)
②よく眠るくことは、運動能力を高める
昨日まで、全然できなかった鉄棒の逆上がり。ぐっすり寝て次の日になったらなぜかできるようになった。といった経験はありませんか?
ピアノでいくら練習してもできなかった箇所が、寝て起きたら弾けるようになった。。個人的にはここまで衝撃的なエピソードはないのですが、巷ではちょいちょい聞く話です。
学生時代に運動部に入ると「頭で考えるのではなく、体で覚えるのだ!」とか良く指導されますが、体(筋肉)には動きを記憶するという機能はありません。結局は脳が筋力の動きを記憶するのですが、そうなると、ここでも睡眠が凄まじい存在感を発揮します。良く眠ることは、運動能力を高めることにつながります。
文武両道の秘訣は睡眠だったのか!?
睡眠不足になるとどうなる?
①睡眠不足は集中力を奪う
この現象で一番ひどい社会損失は、交通事故。1日徹夜したとかよりも、慢性的な睡眠不足に起因するマイクロスリープ(短い時間だが、全く反応しない症状)が引き起こすケースが多発。
睡眠時間の違いによってグループ分けした実験。社会的に一番多い、6時間睡眠グループは、10日間継続したことにより、24時間起きていたグループと同様レベルの集中力の低下が見られたとのこと。
1日6時間睡眠って普通にありますよね
②感情のコントロールができない
人間の脳では、感情中枢(アクセル)である扁桃体と合理性、論理性、意思決定を司る前頭前皮質(ブレーキ)がうまく結びつくことで感情のコントロールをしています。
しかし、睡眠不足の状態になるとこの扁桃体と前頭前皮質の強いつながりがなくなってしまい、これがイライラなどの感情の暴走に繋がってしまうらしい。
朝起きたばかりとか、眠い時ってイライラしてしまうけど、脳の働きによるものだったんだね
③寿命を縮める
本書では、睡眠不足が体に与える悪い影響について、科学的な根拠とともに多数紹介されています。例えば以下のような内容なのですが、とてもわかりやすく説明されていますので、詳細については本書を手に取って確認いただければと思います。
- 睡眠不足は、心血管疾患が発生しやすい。
- 睡眠不足は、食欲を増し、代謝を低下させ、肥満や糖尿病につながる
- 睡眠不足は免疫力の低下につながり、ガンにかかる確率が上昇する etc…
睡眠との向き合い方
本当に必要な睡眠時間は?
気になる問いですよね。
本書では、人間の大人における最適なバランスは覚醒16時間、睡眠は8時間であると述べられていますが、年齢による概日リズム(体内時計)の変化や個人差があるようです。
「睡眠が体に悪いという証拠は1つも見つかっていないが、だからといって、寝れば寝るほど良いというわけではない」とも。食べ物も水も酸素も生きる上で欠かせないものですが、これも過剰になると体に悪影響を及びすことがあるため、睡眠も同じではないかというのが著者の意見です。
ショートスリーパーというのは遺伝性のものらしいので、自分にとっての最適な睡眠時間を意識した方が良さそうですね
睡眠を妨げるもの
- 明かり。特に寝る前のスマホ、PCなどは厳禁。睡眠を誘発するメラトニンというホルモンの分泌を抑制し、睡眠を妨げてしまう。
- アルコール。脳への鎮静作用があるため、誤解されやすいが、自然な眠りに繋がることはない
- 目覚まし時計。まだ眠いのに無理やり起きるという習慣があるのは、すべての種族の中で人類だけ
これらも、科学的な根拠(実験)をもとにわかりやすく説明されているので、ほんとに納得感があります。
著者からの提言
- 概日リズム(体内時計)が1〜3時間早まる10代の子供にとっての8時は大人の5時と同じ。こんな時間から始まる学校の授業は拷問に近い。
- 睡眠の効能(睡眠不足の弊害)を正確に理解した会社では、たくさん寝た社員にボーナスを出すらしい。これにより、生産性、創造性、勤労意欲、離職率低下等の効果があった
- 睡眠を主軸にした医療改革。交通事故、成人病、心の病、など、これら全てに少なからず睡眠不足が関係していることを考えれば、国家が一定のコストをかけて睡眠不足解消に向けた施策を実行していく意味は大いにある。
\ 最後にひとこと /
睡眠は、心身の健康を保つ最強の薬である
マシュー・ウォーカー
科学的な根拠をもとに睡眠の効能や謎に迫るこちらの本、個人的には一番おすすめです。
この本に夢中になりすぎて寝不足にならないようにね。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました〜
にほんブログ村に参加中。記事が気に入ったらクリックしてね