日本人の嫌いな虫No.1に君臨するGさん。
タイトル見て敬遠する前に、少しだけお付き合いください。
本書の対象は、家の中で出くわせば絶望すること間違いなしのあのゴキブリではなくて、“クチキゴキブリ”。
クチキゴキブリとは、その名前のとおり朽木(=朽ちた木、腐った木)の中に棲み朽木を食べて生きているゴキブリです(Gのように早くは走れません)。
なんとこのゴキブリ、父親と母親が生涯つがいを形成して浮気せず、一緒に子育てをするのです。
夫婦で子育てをする特徴は鳥類では見られても、昆虫類ではめずらしい。
この点に魅せられてしまった著者が、クチキゴキブリの生態を研究する過程がおもしろおかしく記されています。
クチキゴキブリは、つがいになるとお互いの翅(ハネ)を食い合うという不思議な行動と取ることで知られていて、著者は主にこの謎を研究しています
メインテーマであるクチキゴキブリの話もとても面白いのですが、
個人的に興味深く感じたのは、本書のもう1つのテーマとなっている研究者や研究職を志す博士課程の学生のリアルな現状です。
研究者って、「狭く薄暗い実験室で外界との交流を断って探究心を満たしていく仕事」のような、閉ざされたイメージを持っていましたが、本書を読んで完全にイメージが変わりました。
学会はフェスのようなものと著者が言うように、様々なコミュニティが形成されるなど、社交性に富んだ世界。人脈づくりには、コミュニケーション能力が問われるのだそう
一方で、
自らの「研究が学術的にどのような価値を提供できるのか」、を常に問われ続けながら、
研究成果を論文という形に落とし込み、論文雑誌に掲載されること競う厳しい世界でもあります。
有名な科学雑誌に掲載されるとポイントが多く付与されるとか、雑誌毎に細かいランクがあるらしく、このポイントが研究者の客観的な実績として評価されるんだって
論文雑誌への掲載可否を決定する査読者(=審査)とのやり取りなどの説明もり、「へぇー」の連続でした。
研究者として自分の好きな研究で飯を食べていくことが狭き門であること、能力があればなれるというものではなく、コミュニケーション能力や英語力を含めた総合力が求められることがよくわかりました。
著者の大崎さんの言葉を借りると、研究者には“総合格闘技”のようなスキルが求められる
まとめると、こちらの本は以下のような方におすすめです。
アカデミックな世界に興味が湧いてきましたw
僕も論文を読んでみようかなぁ
- 一生涯つがいを形成するクチキゴキブリの生態に興味がわいた方
- アカデミックな世界を知りたい方
- 本書の著者でもあり、若きクチキゴキブリ研究者である大崎さんを応援したい方(著者のブログ)
ちなみに、本書を読んだのは、
少し前に読んだ前野ウルド浩太郎さんの「バッタを倒しにアフリカへ」を読んで、
未だ解明されていない虫の生態に興味を持ったことがきっかけ。
こちらの本もめちゃくちゃ面白いですよ!
最近、お腹の底から笑えてない人、夢を実現するための勇気が欲しい人にオススメの1冊です
最後まで読んでくれて、ありがとうございました〜。
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