はじめに
塊根植物の中でも人気の高い亀甲竜(Dioscorea elephantipes)。
あのゴツゴツした塊根部分に憧れて、ずっと育ててみたいと思っていました。
この記事では、念願叶って手に入れた亀甲竜を、管理ミスで腐らせてしまった私の失敗談をお伝えします。
同じように亀甲竜を育てている人、これから育てようと思っている人の参考になれば嬉しいです。
George(父)アフリカの植物さんたちは気難しいですねー
念願の亀甲竜をゲット
2025年2月、ついに念願の亀甲竜を手に入れました。
長年憧れていた植物が目の前にあって、テンション上がりましたね。亀の甲羅みたいな塊根部分と、そこから伸びる繊細な蔓。「絶対大事に育てよう」って思ってました。


LED管理で順調にスタート
最初は室内でLEDライトを使って管理することに。
亀甲竜は南アフリカ原産の冬型塊根植物で、日本の冬から春にかけて成長するんですよね。
ただ、冬型といってもあまりに寒いのは苦手ということで、冬は屋内に取り込むのが一般的のようでした。
5月くらいだったと思いますが、葉っぱが全部落ちて休眠状態に。
その後、ちょっと早いと思いましたが、1ヶ月も経たない6月に休眠から覚めたようだったので、しばらくは屋内の日当たりいい場所で様子を見ることに。



屋内管理だと、植物の成長サイクルも訳がわからなくなっちゃうのだと思います
だんだんと嬉しい変化が。
最初ツルッとしていた塊根部分が、だんだんゴツゴツした質感になってきたんです。
これが亀甲竜の魅力ですよね。順調に育っている証拠だと思って安心してました。


葉っぱもどんどん展開して、蔓も伸び始めて。「これは上手くいってるな」って調子に乗ってました。
屋外管理への移行で失敗
夏の暑さも和らいで、葉っぱもしっかり展開してきた頃です。
「暑さも落ち着いてきたし、そろそろ外の自然光で育てた方がいいかな」
って軽い気持ちで、亀甲竜を屋外に出したんですよ。
これが失敗の始まりでした。
直射日光で塊根が日焼け
外に出して数日後、「あれ?」って気づいたんです。
塊根部分に凹みができてる。よく見たら、直射日光が当たっていた部分が焼けて変色してました。
「やっちゃった…」
慌てて触ってみたんですけど、塊根部分は硬いまま。ブヨブヨしてるわけでもない。
「形が変になっちゃったな…でもまあ見た目だけの問題だろう」
って楽観的に考えていました。この油断が後で大変なことになるとは思ってもみなかったんですよね。
1ヶ月後の異変
それから1ヶ月くらい経った頃。
日中まだ20度を余裕で超えていて、土が乾いたタイミングで水をじゃぶじゃぶあげていました。塊根の凹みは気になっていたけど、それ以外は特に問題なさそうだったので。
ある日の夜、雨が降ってちょっと肌寒くなっていたんです。
「冬型だし、この涼しさで元気になるかな」
なんて思いながら、ふと亀甲竜の様子を見に行きました。
葉っぱに元気がない…スカスカになった塊根
葉っぱに元気がない。
明らかにいつもと違うんですよ。
「え?おかしいな。冬型だから、むしろ涼しくなったら葉っぱ展開するはずなのに」
嫌な予感がして、恐る恐る塊根部分を触ってみました。日焼けして凹んでいる部分を親指でそっと押してみると…
スカスカ。
中身が入っていない感じ。健康な塊根って硬くて中身が詰まっているはずですよね。でもこの感触は明らかにおかしい。
よく見たら、凹んでいる部分が黒ずんでいる。
「これはまずい…」
根腐れを発見
これは緊急事態だと思って、根っこの状態を確認しようと鉢から引っこ抜いてみたんです。


そしたら…やっぱり。根腐れみたいな症状が出ていました。健康な白い根じゃなくて、茶色く変色した根がいっぱい。
塊根の黒ずんでいる部分から、腐敗が広がっているのが明らかでした。
あの時「見た目の問題」って軽く考えていた日焼けの凹み。あれ、塊根の中までダメージが入っていたんですね。
そんなこと気にせずに、土が乾いたらと水をあげ続けていたので、腐敗が加速してしまったみたいです。
外科手術を決行
「このままじゃ完全に腐ってしまう」
覚悟を決めて、亀甲竜の外科手術をすることにしました。
塊根植物の外科手術は、腐った部分を切り取って、健康な部分だけ残して再生させる方法です。



成功率はそんなに高くないらしいんですけど、放置したら確実に枯れそうなので、やるしかないですよね。
カッターで切除
使ったのは清潔なカッターナイフ。刃は新品に交換して、消毒もしっかりやりました。
黒ずんでいる部分を中心に、少し余裕を持って切っていきます。断面が完全に健康な白〜クリーム色になるまで、慎重に削りました。
思ったより深くまで腐敗が進んでいて、想定以上に削ることになりました。元のサイズからしたら、かなりのボリュームを失ってしまいましたね。








ベンレート塗布と乾燥
腐敗部分を無理やり切除し終えたので、断面にベンレート(殺菌剤)を塗りました。
これやっておかないと、また腐ってしまう可能性があるので重要だと思って。。。
その後、
サーキュレーターを回しながら、1週間半かけて、じっくり乾燥させました。
切断面が完全に乾く前に土に植えると、また腐敗が始まるらしいので。。
毎日断面をチェックしながら、「頑張れ」って祈るような気持ちで見守っていました。
1週間半乾かしたものが、以下です。





全体的に少し萎んできたし、乾いたと思います。
ちなみに、芋部分は硬かったです。
土へ復帰
断面がしっかり乾いたのを確認して、ついに土に埋め戻しました。
使ったのは水はけのいい塊根植物用の配合土。水やりは控えめにして、発根を待つことにしました。
土は、亀甲竜の塊根部分との接着面が多い方が根が出ると思ったので、上の方が細粒の赤玉土にしました。
あとは亀甲竜の生命力を信じるしかないです。


失敗から学んだこと
この経験から、色々学びました。同じ失敗をする人が減るように、ここに残しておきます。
1. いきなり屋外に出すのはダメ
室内からいきなり直射日光の屋外に出すのは無謀でした。
屋外管理に移行するなら、遮光ネット(50%くらい)を使って、徐々に光に慣らしていくべきでした。
最低でも2週間くらいかけて、段階的に光量を増やしていく必要があったなー。
2. 「見た目だけの問題」は存在しない
塊根植物の凹み、変色、日焼けは、全部内部ダメージのサインです。
見た目だけで判断すると後悔します。異変を見つけたら、すぐ触診して、場合によっては鉢から抜いて根っこをチェックすべきでした。
3. ダメージがある時の水やりは要注意
傷んでいる部分があるのに、普通に水やりを続けるのは危険。
特に気温が高い時は腐敗が進みやすいんですよね。
ダメージを発見したら、まず水やりを控えて、状態を見極めてから対処方法を決めるべきでした。
4. 冬型は夏の管理が重要
亀甲竜は冬型塊根植物ですが、だからって夏の管理をテキトーにしていいわけじゃないんです。
むしろ、休眠期前後の管理こそが、その後の成長を左右する重要な時期。
気温が25度を超えて続く時期は、特に水やりに注意が必要かと。
5. 「様子見よう」が手遅れを招く
「ちょっと様子を見てから対処しよう」という判断が、裏目に出ました。
異変を感じたら、その日のうちに状態確認すべきです。塊根植物の腐敗は、思っている以上に早く進むことを体感。
まとめ
憧れていた亀甲竜を、自分のミスで腐らせてしまって、凹みました。
でも、この失敗が誰かの役に立つなら、少しは救われる気がします。
亀甲竜を育てる時のポイント:
- 屋外管理への移行は遮光から
- 塊根の凹み・変色を甘く見ない
- 異変を感じたらすぐ触診、必要なら鉢から抜いて確認
- ダメージ後の水やりは控えめに
- 気温が高い時期(25度以上)は特に注意
今、私の亀甲竜は生死の境にいますけど、植物の生命力を信じて、復活を待っています。
復活したら、またブログで報告しますね。



最後まで読んでくれて、ありがとうございました〜。
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