黒柳徹子さんの「窓ぎわのトットちゃん」。この本、素敵すぎでした。
老若男女問わず、全ての人に読んでいただきたいのですが、これだと紹介にならないので……
- 子育てや教育に悩むすべての親御さん、先生
- ぎすぎすした毎日に疲れちゃって、やさしい気持ちを取り戻したい方
- 子供が大好きな方
国内800万部、海外35カ国で翻訳され、中国では1,000万部売れている大ベストセラーです
- タイトル:窓ぎわのトットちゃん
- 著者 :黒柳徹子
- 出版年 :1981年 *私が生まれた頃ですw
- 出版社 :講談社
- 評価 :⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️(5) *本当は⭐️10くらい
(2023.11.26追記)
なんと続編が出ました!
また、2023年12月8日には映画(アニメ)も公開されます。
今年は窓ぎわのトットちゃん片手に年を越すことになりそうですね。読むぞー。
\ それでは、いってみましょう /
あらすじ
ちょっと変わったトットちゃんという女の子と、その子が通う大好きな小学校で本当にあったお話。
時代は第二次世界大戦の頃。
舞台となる小学校は「トモエ学園」。
普通の小学校に馴染めない子供たちを積極的に受け入れている小学校です。
トモエ学園には、すべての子どもをありのままに受け入れてくれる素敵な校長先生がいて、トットちゃんをはじめ、個性豊かな生徒たちとの日常が本当に可愛らしく描かれています。
例えばこんなエピソードが……
海のものと山のもの弁当
トモエ学園では、お弁当には必ず「海のもの」と「山のもの」をお母さんに入れてもらうというルールがあります。
色々な事情があってお弁当に入っていない生徒がいたときは、
学校で用意していた「海のもの(ちくわ)」と「山のもの(おいもの煮っ転がし)」を校長先生がお弁当箱によそってくれて、
みんなで歌を歌いながら、おしゃべりしながら食べる。
コロナ下で、黙食を強いられていた給食時間とは正反対です。
とびこんじゃだめ
また、トットちゃんは、面白いものを見つけるとすぐに飛び込む癖があって、
セメントの山に飛び込んで身動き取れなくなったり、
トイレの汲み取りに口の穴に一時的にかけてあった新聞紙の上にダイブして落ちたり…しちゃう子なのです。
お母さんに注意されると「もう、新聞紙と砂の山には、飛び込まない」といって、
トットちゃんには何も言わずに、この子はまたやるな、と思う。
子供達に、真摯に向かう小林先生と、トットちゃんがどんなにびっくりすることをしでかしても、いつも暖かく見守るお母さんが素敵です
他にも、印象に残るたくさんのトットちゃんたちの可愛らしいエピソード、
小林先生の切ないエピソードなどがあるのですが(なんと60近くも!)、
これから読む皆さんの楽しみを奪ってしまっては本当に申し訳ないので、
あらすじの紹介はこの辺にして、窓ぎわのトットちゃんの魅力を何点か紹介したいと思います。
心地よく、リズミカルな文章がとても良い
窓ぎわのトットちゃんは、以下のような感じで物語がはじまります。
自由が丘の駅で、大井町線から降りると、ママは、トットちゃんの手を引っ張って、改札口を出ようとした。トットちゃんは、それまで、あまり電車に乗ったことがなかったから、大切に握っていた切符をあげちゃうのは、もったいないと思った。そこで、改札口のおじさんに、「この切符、貰っちゃいけない?」と聞いた。おじさんは、「ダメだよ」というと、トットちゃんの手から、切符を取りあげた。
(引用)窓ぎわのトットちゃん はじめての駅
読んでみると、やけに句読点が多いな、という印象を持たれる人が多いと思いますが、読んでいて疲れるわけでもなく、なんか心が癒されませんか?
ずっとこんな感じで文章が流れていくのですが、物語に絶妙にマッチした子供っぽい、
拙い感じが良いのか、明確に理由はわからないのですが、なんだか文章にリズムがあるんですよね。
辛い仕事に向かう殺伐とした朝の満員電車、家事や仕事で体力を使い果たした就寝前に読むと、なぜかホッとするんです。
句読点の打ち方だけでこんなに素敵な雰囲気が作れるものかと感動しました
岩崎ちひろさんの絵がすばらしい
本書には、子供を描いたら世界一である、岩崎ちひろさんの絵が絶妙なタイミングで挿入されていて、
トットちゃんたちの気持ちを想像することを助けてくれます。
世界観がマッチしすぎているので、この本のために描かれたものなのかと思いましたが違うようです。
窓ぎわのトットちゃんの物語ができた後に、すでに描かれていた絵から厳選されたとのこと。
ちひろ美術館に行ってみたくなること間違いないと思いますのでリンクを貼っておきます。
あとがきも素晴らしい
窓ぎわのトットちゃんの“あとがき”がまたすごいです。
45ページもあります。
本の中に登場するたくさんの個性豊かな生徒さんたちのその後を、
大人になった黒柳徹子さんが訪ね、その近況を記載しています。
みなさん、自分の人生をしっかり生きていることが伝わってきて、これにもたくさんの勇気をもらえます。
あとがきまでしっかりと読まれることを強くおすすめします。
\ 最後にひとこと /
今からでも、こんな素敵な言葉をかけられる大人になりたいと切に思いました。
最後まで読んでくれてありがとうございました〜
小さいお子様には、岩崎ちひろさんの絵を使った絵本版もあります。
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