落合陽一さんが書かれた本の中でも、この「日本再興戦略」は読みやさと、落合さんの考えが多方面で理解できるという意味で一番のおすすめ。
とりわけ、「日本という国は何か」についての考察が興味深いです。
落合さんが語る日本論。自分が大好きな歴史作家、司馬遼太郎さんを彷彿とさせます
この記事を書いているGeroge(父)は、都内在住のサラリーマン。通勤電車のほぼ全てを読書に費やし、年間100冊程度の本を読んでいます(プロフィール)。また、家庭菜園も10年くらい楽しんでいます。
印象に残った点を中心に紹介したいと思います。
- 落合陽一さんが提言する日本の進べき道が知りたい人
- 落合さんの日本論に興味がある方
- 落合陽一さんのファン
\ それでは、いってみましょう
日本とは何か
欧米との比較の中で日本を説明している点がとてもわかりやすいです。
もともと、欧米(そもそも、欧州と米国を同一視しているのも間違い)は一神教だが本来の日本は八百万の神を信仰。
個人が全能の神を目指す欧米と自然との調和の中に自己を見出そうとする日本。
大化の改新(645年)以降、天皇制が確立された日本。1500年ごろまで誰が王様になるかを争っていた欧州。
日本は、イスラム教を信仰しても、キリスト教を信仰しても許容される珍しい国。
国教を定義せずに信仰を定義できてしまった不思議な国が日本であり、一神教ではない代わりに国民は天皇を敬っている。
昔から国権として政治を担う主体(行政)と精神構造の主体(天皇)がしっかりと分離しているのも日本の特徴。
こんな感じで、欧米と日本の風土や文化は大きく違うのに、明治維新以降は、幕内弁当のように欧米のシステムを導入
結果、日本の自然調和的な文化や多様性が失われ、画一化してきたというのが現状
百姓は多様性の象徴
日本では、農家のことを「百姓」といいますが、「百姓」とは農業を主としながら、「100の生業がある人」という意味らしい。
AIによってのホワイトカラーの担う定型業務がどんどん効率化され、多くの職業が代替されていくと言われている中で食いっぱぐれないためには、際立った専門性が必要そうですが、全員が専門性を獲得することは難しい。
となると、これからの日本人はの「百姓」のように、具体的に何かを作ることができたり、いろいろなことができる人を目指すべきだと主張しています。
ChatGPTの出現がこの考えを後押ししますね。。。
高度成長の大量生産大量消費の時代は、画一的でも良かったのですが、これからは日本本来の多様性を取り戻す必要があります。
これの鍵が、脱欧米化と百姓的な生き方。様々な人が、自らポシションを取って仕事のポートフォリオを築いていくことが大事になる。
画一的な人材を輩出するよう設計された現在の教育制度も時代に合わないと指摘。期末テストとか、センター試験もよろしくないと。素敵です
少子高齢化と人口減少がチャンスと言える3つの理由
多くの課題を抱える日本ですが、特に注目度が高い課題が、「少子高齢化と人口減少」です。
異次元の少子化対策という名のものと、政府もようやく重い腰を挙げて出生率向上に取り組んでいますが、
落合さんは「少子高齢化」をチャンスだと捉え、その理由を3つ挙げています。
- 自動化、省人化に対する打ち壊し運動が起こらない
- 課題が先行するため、これを克服すれば輸出戦略がとれる
- 教育投資が充実する
❶自動化、省人化に対する打ち壊し運動が起こらない
高齢化で働ける人が減っていくので、1800年代にイギリスで興った産業革命時に労働者が機械を破壊したラッダイト運動が日本では起こらない。
このため、今後の日本にとって機械化や新たなテクノロジーの導入は社会正義となるので、他国よりも飛躍的に生産性を向上させることができる可能性がある、ということ。
人口減少問題は移民ではなく機械化で解決するべきというのが本書のスタンスです。
自動運転は生活を大きく変えるし、機械化・省力化は介護産業は成長産業へと化けるかもしれない
VRとか自動運転は実現すると大きな社会インパクトがあるけどもう少し。
❷課題が先行するため、これを克服すれば輸出戦略がとれる
人口減少、少子高齢化は日本の大きな課題ですが、遅かれ早かれ、中国や韓国も同じ課題に直面することになります。
したがって、まず日本がこの分野におけるソリューションを確立することができれば、他国より数十年先行することができ、技術やサービスを輸出することができる。
落合さん自身も介護事業における機械化などに取り組んでいますね。
ピンチはチャンスだ!
❸教育投資が充実する
これは至ってシンプルで、子供が少なくなればこれまで以上に子供の価値が上がって授業料無償化等を含め教育投資が充実し、最終的には日本の発展につながっていくという考え方。
この本が書かれたのが5年前(今は2023年)。異次元の少子化対策が始まったけど、教育改革はなかなか進んでいない印象
まとめ
ここで紹介した考え方のほか、政治、会社、教育、仕事、コミュニティにおける日本のグランドデザインが具体的に示されているので、とても参考になりました。
ChatGPTをはじめイノベーティブなソフトウェアはどんどんアップデートされていくのに、ハードウェアやサービスがこれにまだ十分に追いついていないと感じていましたが、本書で落合さんが語られているように、日本の強みでもある「省力化・機械化」の技術を生かすことができる環境になってきてますよね。
ピンチをチャンスと捉える発想がかっこいいし、とても前向きになれました。
最後に、みんな大好き落合さんのかっこいい言葉を引用して締めたいと思います。
ポジションを取れ。批評家になるな。フェアに向き合え。手を動かせ。金を稼げ。画一的な基準を持つな。複雑なものや時間をかけないと成し得ないことに自分なりの価値を見出して愛でろ。あらゆることにトキメキながら、あらゆるものに絶望して期待せずに生きろ。明日と明後日で考える基準を変え続けろ
日本最高戦略 著者:落合陽一
最後まで読んでくれて、ありがとうございました〜。
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