Z世代について、少し客観的に勉強しないとなーと思っていたので、今回はこちらの本。「あの新入社員はなぜ歓迎会に参加しないのか」。
著者は(株)ニッセイ基礎研究所の廣瀬涼氏。データの提示→意見(主観)の提示、という流れで進むため、サクッとリズム良く読み終えることができます。
完全にタイトル買いしたよね?
はい。
会社にもZ世代の若者多いし、飲み会もあって。ちょっと勉強しないとなぁと思ってて……
Z世代系の本でいくと、「Z世代マーケティング」もおすすめ。
「Z世代間マーケティング」は、全世界を分析対象としているので、Z世代に影響を与えた歴史的背景やイベントの説明はアメリカのものが多いです(同時多発テロとかです)。
一方、本書は、完全に日本人のZ世代に対象を絞って論じられているので、「最近の会社の若い人とはどうにも話が合わないなぁ」とか、「日本のZ世代の生態系を知りたい」と考えている方には、こちらの本をおすすめします。
この記事を書いているGeroge(父)は、都内在住のサラリーマン。通勤電車のほぼ全てを読書に費やし、年間100冊程度の本を読んでいます(プロフィール)。また、家庭菜園も10年くらい楽しんでいます。
- 最近の若者はよーわからんな人
- 若い人の気持ちに寄り添ってマネージメントしないとならない中間管理職
- 自分の子供と積極的にコミュニケーションをとりたいお父さん、お母さん
\ それでは、いってみましょう
Z世代とは(おさらい)
まずは、Z世代のおさらいです。Z世代は具体的にどの年代の人々なのでしょうか。
どの本でも諸説あるということですが、本書では、「1996〜2012年生まれの人」と定義しています。
本記事執筆時点(2023/10)の年齢で言うと、13〜27歳ですね。
簡単にイメージするとすれば、インターネットと一緒に育った、もしくは物心ついた時にはスマートフォンが傍にあったデジタルネイティブ世代です
日本の人口ピラミッドを眺めて、Z世代がどの程度を占めるのか確認してみましょう。
分布が5歳刻みなのでちょっとズレてはおりますが、ちょっと多めに見積もって日本総人口の18%程度です。少子高齢化の日本といえども、こうやってみるとそれなりの存在感です。
Z世代はどんな特徴を持った世代か
著者の廣瀬氏も述べていますが、Z世代といって一括りにしても、結局は個人の性格なので全てのZ世代に当てはまるものではありません。その点だけはご留意ください。
そもそも26年もの幅で世代を括っても意味がないという人達もいるよ
本書で紹介されているZ世代の特徴として、特にに印象に残ったものを挙げます……
- 日本経済の停滞期しかしらない世代
- 競う機会が少なかった世代。協力・協調重視
- SNS漬けは当たり前
1つずつ簡単に紹介します。
日本経済の停滞期しか知らない世代
生まれた時には、日本の高度経済成長期やバブルは終了しており、日本の景気が良かった時代を経験していません。
私は40代前半ですが、小学校低学年くらいまではなんとなくバブルの余韻が残っていましたね。当時は金利も高く、母親からは「1億円貯めれば金利だけで生活していけるわよ!」と言われておりました。
テレビでも、今よりは少しはっちゃけたバラエティ番組やドラマが流行っていた記憶があります。
一方、Z世代はこのような明るい(!?)時代を知らず、デフレ、経済の長期停滞、少子高齢化、環境問題、老後のお金問題等々、将来に対する「不安」を抱えている世代であるといわれています。
また、画一的な人生観が失われた時代に育っているのも特徴の1つ。年功序列が崩壊し、年々お給料が右肩上がりな時代が終わったことで、「結婚→子供→車→マイホーム→悠々自適な老後」といった人生観は持っていません。
競う機会が少なかった世代
Z世代の半数は、2002〜2010年に実施された「ゆとり教育」の影響を受けています。
ゆとり教育は、詰め込み式の学習から思考力強化の学習への転換を目指したものですが、あわせて、運動会やテストで順位を公表したりすることがなくなりました。
土曜日の授業もなくなり、小中学校の学習内容の3割が削減されました。前の世代と比較して、「競争」する機会が減った、といえそうです。
また、「3.11東日本大震災」、「新型コロナウィルスの大流行」を経験しており、「人々が協力・協調する必要性」について身を持って体験している世代でもあります。
このことから、「競争」よりも「協調」を重視する特徴があると著者の廣瀬氏は述べています。
自分の子供の様子を見ていても、優先順位の大部分を「友達」が占めているなと感じます。漫画・ワンピースの影響も大きい気がしますねぇ
ワンピースは全巻持ってるよ!
SNS漬けが当たり前
Z世代はSNS漬けが当たり前です。これは自分の子供達を見ていてもそう思います。
日頃のコミュニケーションはLINE、年賀状も誕生日もLINE。調べ物はTwitter、商品選びはインスタグラムなどなど……
情報と人間関係が途切れることがありません。まさに常時接続な世代。
友達とのやりとりが楽しいのはわかるけど、1日中やりとりしていて疲れないのかな
そりゃ疲れることはあるけど、SNSなしの生活はちょっと考えられない
一昔前までは、情報に対し「受け身」が基本だったと思いますが、昨今は欲しい情報を拾いに行く、さらには情報を生成する側になるなど情報に対して「主体的」であることが求められる時代。
Z世代はこの「情報の波」を渡るために、情報を瞬時に取捨選択する「スワイプ機能」が得意であるという特徴があります。
「必要」と判断した情報については、とりあえずスクショして保存しておくものの、情報量があまりにも多いため、最終的には忘れ去られていくこともあるようです。
誰もが簡単に情報にアクセスできる時代。情報の取捨選択や見極めが大事なのはこれからの時代の常識ですね
また、日頃からたくさんの情報に触れるZ世代は、「クラスタ型処理(グループ分類)」を無意識にやっているといいます。
X(旧Twitter)のハッシュタグで、「⚫︎⚫︎好きな人と繋がりたい」というのもその一種。
溢れる情報社会でボケっとしていると埋もれてしますので、自分のアイデンティを確立(明確に)したいという人が多いのかもしれないですね
Z世代の消費動向について
日本の人口・所得分布からすると、Z世代が消費の中心とはいえないと思いますが、新しいムーブメントを起こすのはいつの時代も若い力です。
Z世代の消費動向の特徴を押さえておくのは、全てのビジネスパーソンに必須だと思われます。
本書では、Z世代の消費動向についても見解が述べられています。
社会貢献につながるような消費をしたいZ世代
Z世代には「他人との競争よりも自分を高める」、「競争よりも協力と協調」を重視する特徴があることは先ほど紹介したとおりですが、環境問題が連日のようにメディアで放送され、世界的なSDGs の学校教育への取り込み等に後押しされ、前の世代よりも環境や社会問題を自分ごと化して捉える傾向にあると著者は述べています。
「大量生産・大量消費」ではなく、「本当に必要なものを持続可能な範囲で消費する」、「所有よりも利用(サブスク)」といった消費哲学を持っているようです。
メルカリをはじめとしたフリママーケットの隆盛や、ミニマリストという言葉の流行もZ世代の影響がありそうですね
ミニマリスト関連の書籍では、「手放す練習」がおすすめです!
SNSが与える影響
これは本当になるほどなぁ〜と思った消費感覚なのですが、SNSでは日常的にさまざまな商品の使用に関する体験談が流れてきます。
これは、Z世代にとっては他人の体験談を通じて疑似体験ができているということになります。
欲しい商品が増えていく一方、結論がわかっている商品についてあえて「買いたい、所有したい」と思う機会は少なくなる傾向にあると、著者は述べています。
若い世代は経済的にも「買いたくても、買えない」という事情があるとはいえ、SNS経由の情報が消費を抑えるという側面もあるような気がしました。
結果として、Z世代は、「非再現性」、「参加性」、「貢献性」を具備した「トキ消費」にお金をかける傾向にあるとのこと。
ライブ感が感じられる渋谷のハロウィン祭りへの参画も「トキ消費」の1つ。人と繋がっている帰属性を意識しながらも自分のアイデンティを大切にしたい、というのがZ世代の本音なのかも
まとめ
巷でよく話題になることがあるZ世代ですが、特徴はあれど時代背景を鑑みればどれも当たり前かもしれません。
黙っていれば幸せになれそうであった一昔前は、自分よりも組織重視だったのかもしれませんが、その前提が見通せないこれからの時代においては、
Z世代のように「自らの意思で行動を選択しなければ自分の幸せを勝ち取ることができない」ということなのかも。
いかがだったでしょうか。私は、Z世代を理解する上でとても参考になりました(自分の子供らと会話する上でも……)。
本書のタイトルにもなっている「あの新入社員はなぜ歓迎会に参加しないのか」については、ぜひ本書を実際に手に取って確認してみてください。
最後まで読んでくれて、ありがとうございました〜
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