「ムダな会議が多いな〜。結局のところ、この会議は何がしたかったの?」
ほとんどのサラリーマンが多かれ少なかれ、このような不満を持ったことがあるのではないでしょうか。

はい。会議にまつわる悩みだらけです。
最近は会議のファシリテートを任されることも多くなってきて、何かとフワッと終了しがちな会議に責任を感じています
そこで、こちらの本「amazon すごい会議」。ITプラットフォーマーAmazonのノウハウが詰まっており、とても参考になったのでご紹介します。
- なにも決まらないフワッと終わる会議にイラっとしている方
- 「ムダな会議をなんとかしろ〜」と偉い人から指示を受けている総務担当者
- Amazon大好き、アマゾニストな方
この記事を書いているGeroge(父)は、都内在住のサラリーマン。通勤電車のほぼ全てを読書に費やし、年間100冊程度の本を読んでいます(プロフィール)。また、家庭菜園も10年くらい楽しんでいます。
\ それでは、いってみましょう


Amazonの資料作成ルール
会議の話に入る前に、押さえておくべきAmazonの資料作成ルールについて。



会議の良し悪しは、資料で決まるのだ
資料はパワーポイント禁止でワードで書く。文章は箇条書きではなくナレーティブに書く
パワポはプレゼンテーションツールの特性から、文章は箇条書きにして、アニメーションも駆使して見栄えばかりに重点を置きがちになります。
これだと、資料を読む人にとって異なる解釈を生むリスクがあります。
このためAmazonでは、誰が、いつ読んでも、正しく理解できるように、ワードでナレーティブ(文章形式)に書くことが標準ルールになっています。
会議資料はA4用紙1枚、もしくはA4用紙6枚の2パータンのみ
Amazonでは組織の硬直化を避けるため、定型フォーマットのようなものは用意していないものの、資料のボリュームにはルールを設定しています。
ポイントをまとめてA4用紙1枚に記載する「1ページャー」と、大きなプロジェクト用としてA4用紙6枚に記載する「6ページャー」の2つの形式のみを用意。
原則これ以外は認められていません。
ちなみに、説明資料を補足するためのバックデータなどは、Appendix(付属資料)として本編とは別に用意することは可能になっているそうです。



「誰がいつ読んでも正しく理解できる」…文章力がないとAmazonでは働けない
会議の種類は4つある
Amazonの会議はその目的によって以下4つの類型に分類されます。
意思決定
決済を仰いだり、物事を決めて合意を形成する
アイデア出し
新しい施策やサービス、ビジネスなどを考え出す。ワイガヤ会議
進捗管理
決定事項の実施状況を追跡・確認する
情報伝達
みんなが知るべき情報を報告したり、共有したりする



私の勤め先の会議もこんな感じですね
それでは、Amazonのすごい会議を1つずつ見ていきましょう。
①意思決定会議
4つの会議の中で1番面白いな〜と思ったのがこちらの会議。
なんと、Amazonの会議は沈黙から始まるのです。
なぜ沈黙かというと、会議冒頭のの5〜15分を使って全員で会議資料を読み込む時間を取るから。
もちろん、資料は事前に送付しているのですが、忙しい毎日の中、
全ての参加者が会議前に資料の隅々まで目を通すことは不可能。
まずは資料の読み込みを行う時間を設けるということのようです。
この黙読タイムにより、全員が同じ認識レベルで説明を受けることができるようになり、
会議資料を最後までしっかりと読めば記載していることに対して、
「ちょっと待って!これってどういう意味?」などのムダな質問によって説明が遮られることもなくなるのです。



「後半で説明してますので、最後まで説明聞いてもらって良いですか?」なんてお願いすることが多々あるので、これは試してみたいテクニックですね
ほかにも、会議で発言しなかったら議案に賛成したとみなし、会議後の後出しジャンケンは認めない、
「3+2=5だから真ん中取って2.5にしよう」とかいう妥協を許さない、という組織文化に基づくルールなど、日本企業とは異なった組織文化も参考になりました。
②アイデア出し会議
いわゆるブレスト会議。ホワイトボード囲んでみんなでワイワイガヤガヤ。
新規事業の立案など、アイデアが容易に出てこないテーマについては、
多様な人材の自由なアイデアを戦わせて化学反応を期待する。
これは私の会社でも頻繁にやっています。
ただ、何からなんでも「とりあえずブレストしようぜ!」となっている風潮が…
ある程度方向性が決まっているようなことは、ブレストではなく少数精鋭で論点を煮詰めた方が良いと思いますけどね。



ちなみに、我が家の壁の一部はホワイトボードになっているので、いつでもアイデア出し会議ができちゃいます。
どこでも貼れるシート形式のものが便利です





絵を描いたり落書きしているだけだけどね
本書では詳しくは説明されていませんが、
ブレストするテーマによって、どのようなバックグランド(キャリアや年齢、職種)を持つ人材を集めるのが良いか、参加人数はどうするか、など、しっかりと設計することが大事。
Amazonでは、「チームはピザ2枚食べるのにちょうど良いくらいの人数にする」というのが基準になっていて、
大企業にも関わらずスピード感を失わない秘訣として有名ですよね。
おそらく、ブレストもこのぐらいの人数規模が最適なのではないかと思います。
③進捗管理会議
これは、フロント部署で頻繁に行われている会議ですね。
本書では、取り組みの成果を全て数字に落とし込むことの重要性が説明されています。
その際に大事なことは、KGI(重要目標達成事項)と、KPI(重要業績評価指標)の違いをしっかりと理解すること。
会社の売上や利益などがKGIで、KPIは売上や利益のアップに繋がる具体的に現場が行動できるレベルの目標であり、
顧客訪問回数、来店者数、クレーム処理回数、などがそれにあたります。
KGI(重要目標達成事項) | KPI(重要業績評価指標) |
---|---|
KPIを積み上げたものがKGIに繋がる (例)売上高、利益 | 会社の目ざずべき最終的かつ大きな目標KGIを因数分解したものがKPI (例)顧客訪問回数、受注数、受注単価の引き上げ | 現場担当者の行動レベルでイメージできるもの
進捗管理会議で確認する数字はKPIの方で、これをもとにPDCAを回していくわけです。
PDCAはすでに多くの会社で定着している進捗管理の枠組みですが、Amazonの凄いところはこのPDCAを1週間単位で回していること。



高速PDCA。ぐるんぐる〜ん
これは、生まれも育ちもデータに基づいているIT企業特有の強みですね。
多くの会社がアナログ経営からデジタルに移行しようと頑張っていますが、普通の会社は実績(KPI)の集計だけで1ヶ月かかるとかザラにあると思います。



なるほど!1週間に1回ね…良いこと聞いたぜ。子供の勉強の監視に…



毎週勉強の進捗を詰められるとか考えただけでも恐ろしい。。。中間、期末テスト頑張るからそれだけはやめろ。グレるぞ
アメリカで、災害救助で派遣された海兵隊の撤退基準(KPI)というものがあるらしく、
それがなんと「洗濯物が干してある数」なんだそう。
「洗濯物が干してある=電気と水道インフラが復旧した証左」、と捉えてKPIとして設定しているとか、
とても面白いし秀逸だなぁと感心しました。
④情報伝達会議
情報を共有するための会議は、Amazonでは極力削減するようにしているようです。
組織運営上、情報共有やコミュニケーションが重要であることは言うまでもないですが、
最初は意味があった情報伝達会議が、ダラダラと意味なく続いているといったことが往々にしてあるとのではないでしょうか。
会議の生産性を上げる前にまず検討するべきは、ムダな会議を削減することで、
そのターゲットはこの情報伝達会議だとAmazonは考えているそうです。



Webもインターネットもない昭和ならともかく、TeamsやSlackをはじめ、ビジネスチャットがここまで普及してしまうと、情報伝達を目的にした会議は必要最低限でOKかもしれないですね
なお、必要な情報をワンストップで関係者が確認するためのインフラ(顧客CRMなど)は必須だと思います。
まとめ
今回は、アマゾン・ジャパンの立ち上げに関わった佐藤将之さんの「Amazonのすごい会議」のエッセンスをご紹介しました。
参考になりましたでしょうか?
こういったノウハウが合う合わないは組織文化に依る部分が多分にあると思うので、全部取り入れれば上手くいくということではないと思いますが、
採用できそうな部分だけでも試行してみて、少しでもムダな会議をなくしていきたいと感じました。
とても参考になる良い本なので、ぜひ手に取って読んでみてください。
特に、意思決定会議冒頭の「黙読タイム」は活用したいと思っています。



最後まで読んでくれて、ありがとうございました〜。
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