【書評No.21】人生の目的を見失っていませんか? DIE WITH ZERO

今回ご紹介する本は「DIE WITH ZERO」。直訳すると、「ゼロで死ね」。

少子高齢化による厳しい年金財政、老後2000万円問題など、老後の不安が募り貯蓄や資産運用に励まれている方も多いのではないでしょうか。

そのような中、こちらの本は「老後に備えてお金を貯めるだけの人生は無意味である。死ぬまでに稼いだお金は全て使い切った方が良いぞ」と、かなり強いトーンで主張してきます。

アリとキリギリスの童話はご存知ですよね。

遊んでばかりのキリギリスと将来に備えてしっかりと働くアリを対比して、真面目に将来に備えるアリを目指すのだーというあの童話です。

アリとキリギリスどちらが良いというよりはその折衷的なところを目指そうというのが本書の基本的なスタンスです。

George(父)

仕事に追われる毎日。ちょっと立ち止まって人生を振り返るのに良い本

この本はこんな方におすすめ
  • 充実した人生を送りたいと考えている人
  • 老後の生活が心配で日々貯蓄に励んできる方
  • 気づけば、仕事だけで1週間が過ぎ去っている人

\ それでは、いってみましょう

目次

人生を充実したものにするために

本書の主張をまとめるとこんな感じです。

本書のサマリー
  • 人生最後の時に、これまで貯めてきたお金の多寡はなんの意味もなさない。多くの人が人生の最後に感じるのは、家族や友人、大切な人との思い出(経験)である
  • 多くの人が老後のために一生懸命仕事をして貯蓄する傾向にあるが、この考え方は間違っている。喜びを先延ばしすることはやめて思い出や経験にどんどんお金を使って、ゼロで死のう
  • 人生を充実させるポイントは、お金、健康、時間。この3つの適切なバランスを維持することにある。お金だけに偏ってはいけない
George(父)

個人的には、「それはあなたの意見ですよね!」と言いたくなってしまう場面もありましたが、最後は共感できる部分が多かったです

以下は、特に共感できた点です。

喜びを先送りしてはいけない

「いつか家族と世界一周旅行に行きたい」、「ミシュラン3つ星レストランで食事をしたい」、「起業して、世の中があっと驚くサービスを作りたい」、「仕事やめてFIREしたい」…あなたも胸に手を当ててみれば、やりたいこと、望んでいることがたくさんあると思うんです。

でも、先立つものはお金。お金がないと何もできないですし、多くの人の目標は「嫌な仕事とでも一生懸命に働いて、耐え忍んでお金を貯めよう(アリさん)」となっていないでしょうか。

George(父)

ちなみに私の今の関心は、いかにして子供三人を大学まで行かせるか。教育費が心配なので、節約とお金の心配ばかりしています

仕事に打ち込んで、お金を稼ぐこと自体は大切なことだと思いますが、冷静に考えてみてください。

感受性豊かで体力がある若いうちにしかできないことってありますよね。

若いうちに大切な人と世界を旅行するのと、年老いてから旅行するのとでは受け取る経験の価値が大きく異なります。

最悪のケース、先延ばししたせいで実現できないなんてことも…。

子供や家族と共有できる経験がいつまでもあると思ったら大違い。子供が親と過ごす時間は親が思っている以上に短いのです。

George(父)

子供が中学生になると一緒に旅行したり遊びに行ったりという機会がめっきり減ります。子供のコミュニティはびっくりする速度で変わっていきます

けー(中1長男)

部活もあるし、友達付き合いもあるし忙しいんだよね。予定も合わないし

なので、あなたにとって本当に大切なこと(喜び)は先延ばしせず、若いうちから価値ある経験や体験にはどんどんお金を使うべきという主張には心から同意できました。

お金を稼ぎたい中毒になっていないか

お金は大事です。これは間違いありません。ただ、お金を稼ぐことが目的になっていないかどうか、あらためて見つめ直してみることは必要かもしれません。

きっと、最初は自分のやりたいこと、実現したいことがあってそのために仕事をしてお金を稼ぐ、ということなのだと思いますが、お金を稼ぐことそれ自体が目的になっていないでしょうか。

莫大な時間を費やして働いて貯蓄したとしても、使いきれずに死んでしまったのだとすれば、人生の貴重な時間を無駄に過ごしたことと同義。

この点も共感ポイントでした。絶対に取り戻すことができない若い時期の貴重な時間は大切にしないといけません。

70年間も節約生活を続けて貯蓄して、死に際に慈善団体に寄付をする。

仮に初めから寄付を目的に貯蓄してきたのであれば、もっと早く寄付するべき。その方が寄付される方もする方も双方にとって価値のあるお金になるはず。

こういったエピソードに触れても、仕事して貯蓄するだけの毎日になっていないかは自問自答しておきたいと痛感しまいた。

やりたいことの賞味期限を意識する

「自分のやりたいことは、たとえ金銭的な問題があったとしても可能な限り若いうちに体験するべきである」というのが本書の主張ですが、まさに、言うは易し行うは難しではないでしょうか。

それを克服するため、本書の中では「やりたいことの賞味期限を意識する」ことを推奨しています。

子供と一緒に過ごせる時間は限られていますし、多くの体験が年老いてからより若い時の方が見返りが多いことは明らかです。

また、ある看護師が人生の最後に後悔していることを聞いたそうです。
すると、一番多かったのが「勇気を出して、もっと自分に忠実に生きればよかった」、二番目に多かったのが、「働きすぎなければよかった」のだそう。

George(父)

「人生の最後に、オフィスで長時間過ごせなかったことを後悔する人はいない」というのは共感できます

年齢に合わせてお金と時間、健康のバランスを考える

では、どうすれば人生を豊かにする「経験」を積むことができるのでしょうか。

まずは、年代によって異なる「お金と時間、健康のバランスを最適化」することが必要だと説明されています。

この3つの要素は以下のとおり年代によって異なります。

若者
中年
老後
出典:DIE WITH ZERO

若者は時間も健康もあるが、圧倒的にお金が不足しているため、時間と健康を使ってお金に換える必要がありますが、少し過剰になっていないでしょうか。本当は、もっと自由な時間を大事にしこれからの長い人生を豊かにする体験や経験をお金を使って積むべきです。

中年は3つの要素のバランスが取れていますが、できるだけ早い段階で経験を積む観点から、お金で時間と健康を買うのが最善策。

George(父)

いくらお金があっても時間と健康がなければ意味がない。
体が動かなくなってからお金を使いだしても、豊かな経験を積むことはできなのは明らかですね

けー(中1長男)

優里のビブビリオンという曲を思いだす。
老人が若者の時間を2億円で買おう!と言う歌詞が印象的。
健康と時間はお金では買えない…

仮に死ぬまでに使えきれないほどのお金があったとしても、寄付や子供のたちのために相続したりできるじゃないか、という反論が聞こえてきます。

寄付や子供に財産を残すことはとても素晴らしいことですが、どうせ寄付したり残すのであれば、人生の最後ではなくなるだけ早いうちに行うことが双方にとって有益であると主張しています。

子供が老後に差し掛かった段階でお金を渡されたも十分に活用できないですし、寄付を受ける側も早く寄付されることによって、もっとお金を有効に使えると思います。

George(父)

早めに寄付したり贈与すれば、自分の満足度も上がりますよね

まとめ

稼いだお金を全て使い切って死ぬことは現実的には難しいのだと思いますが、目指すべき良い価値観だと思いました。

お金を稼いだり貯めることは手段であって目的ではない。この点だけでもしっかりと意識しておきたいと思います。

仕事で忙しいだけの毎日に疲れている方、最近家族や友人との十分な時間を確保できていないと感じる方は、一度手に取っていただく価値のある本だと思います。

それでは、またお会いしましょう。

けー(中1長男)

最後まで読んでくれて、ありがとうございました〜

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この記事を書いた人

40代都内サラリーマン🧑‍💼 妻1人、子供3人の父
新しいもの好きで飽きっぽい性格。人生とことん楽しむために、仕事も頑張る
座右の銘は「知らぬが仏、忘れるが勝ち」
↓このあたりをテーマに不定期に配信します
読書、家庭菜園、家族、Python、機械学習、筋トレ

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