【書評No.72】人生が整うマウンティング大全 マウンティングを制するものは人生を制する

今回は、1年前から気になっていた「人生が整うマウンティン大全」という本が面白かったので紹介。

あなたは、「マウンティング」という言葉にどのような印象を持っていますかね?

私の中で「マウンティング」とは、

自分の経験や所有物や地位などを誇示して相手を見下し劣位に置こうとすること……

また、無意識のうちに行われることもたくさんあるという……タチが悪いというか、残念な印象です。

本書は、なにかとネガティブに捉えられがちな「マウンティング」の本質を解き明かすという、

一風変わった本ですが、めちゃくちゃ面白かった。

ちなみに、Amazonで「マウンティング」というキーワードで本のタイトルを拾ってみたところ……

  1. マウンティング女子の世界、女は笑顔で殴りあう
  2. マウンティングゴリラから逃げろ
  3. マウンティングやーめた
  4. 不毛なマウンティングをかわす力

といった具合に、やはりネガティブなタイトルのものが多いですねぇ。

この本(記事)はこんな人におすすめ
  • AI時代を生き抜くスキルに興味がある方(それはマウントフルネス)
  • 昨今のマウンティングパターンを網羅的に抑えておきたい方(笑えるマウンティング図鑑)
  • マウンティングにネガティブな印象を抱く全ての方(印象が変わります)

この記事を書いているGeroge(父)は、都内在住のサラリーマン(管理職)。

通勤電車のほぼ全てを読書に費やし、ビジネス書を中心に年間100冊程度の本を読んでいます。(プロフィール)。

\ それでは、いってみましょう

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目次

マウント図鑑

本書前半では昨今、世にははびこっているマウンティング事例を25も挙げながら5つに類型化し、

これを図鑑と呼んでいます。

これが、またどこかで見かけたことがあるようなマウント事例ばかり。

過去の記憶が蘇るので、面白いのです。

特に、SNSやNewsPicks等の意識高い系ビジネスコンテンツを愛用されている方はより楽しめると思います。

マウンティングされた際のモヤモヤした気分の正体を、上手に言語化してくれています。

5つの類型とは……

  • グローバルマウント 
  • 学歴マウント
  • 教養マウント
  • 達観マウント
  • 虎の威を借るマウント

この中で個人的にも興味深かったのが、「達観マウント」というカテゴリー。

ちょっと紹介させていただくと、こんなのがありました(質素マウント)。

上場企業の経営者だった頃は接待づけで贅沢はやり尽くしたけど、
結局、ご飯と味噌汁が一番のご馳走だと思うんだよね

引用:人生が整うマウンティング大全

前半部分がマウントポイント。

何気なしに過去上場企業役員だったことを匂わせています。

けー(中1長男)

前半部分はなくても、言いたいことは伝わるよね

次の達観マウントも心に刺さりました・笑(俗世解脱マウント

最近、自分でも不思議なくらいお金にも名声にもまったく興味がないんだよね。
いったいどうしたものか

引用:人生が整うマウンティング大全

著者曰く、この言葉のマウントポイントは、

「本当に大切なのは、お金や名声などの物質的な豊かさではなく、内面の豊かさである」などと語り、

世間一般的な価値観からの距離を一方的に見せつけているところ、なのだとか。

またこれとよく似たパターンで、

ビジネスパーソンとしてのキャリアに限界を感じて自分の能力との折り合いをつけるために悟った風を装う

「ファッション解脱(解脱したふり)」も流行しているそうです。

George(父)

この言葉はよく使いがちだなぁ

この調子で巷で流行っているマウンティング事例が体系的に整理されています。

マウンティング・スキルのあれこれ

最初の方はマウンティングについて批判的に書かれているので誤解しそうになるのですが、

後半からは一転、マウンティングスキル(「マウントフルネス」と呼称)は、

これからのAI時代に人間が身につけるべき必須スキルである」という持論が展開されていきます。

これがまた、面白いだけでなく妙に説得力があるんですよね。

ちなみに、マウンティングスキルには以下のように下策から上策まであります。

  • (下策)あからさまにマウンティングし、周囲の人に煙たがれる
  • (中策)さりげなくマウンティングを挟むステルスマウンティングにより周囲に迷惑をかけることなく自己承認欲求を満たす
  • (上策)「相手にマウンティングさせてあげる」ことにより、人と組織をうまく動かす人

これからの「全人類総マウントな世界」を生き延びるために、

マウンティング能力は必須のスキルである、というのが筆者の1番伝えたいことなんだろうと思います。

George(父)

「相手にマウントさせてあげる」ことにより気持ちよくなっていただき、人を動かす。カーネギーおじさんの名著を思い出しました

まとめ

「マウント」をここまで体系的に整理し、興味深く解説した本としては類を見ないと思われます。

マウンティングというネガティブなキーワードを使っていますが、読後は思いのほか「爽やか」な気分

ここ最近のトレンドキーワード(マインドフルネス、UI/UX、イノベーションは既存アイデアの組み合わせ)と

「マウンティング」をうまく掛け合わせている点も素晴らしい。

僕も、AI時代は知識よりも人間力を身につけることが大事だと考える人間の一人ですが、

本書が主張するマウンティングリテラシーも、これから身につけるべき人間力の1つなのかなーと思いました。

けー(中1長男)

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この記事を書いた人

40代都内サラリーマン🧑‍💼 妻1人、子供3人の父
新しいもの好きで飽きっぽい性格。人生とことん楽しむために、仕事も頑張る
座右の銘は「知らぬが仏、忘れるが勝ち」
↓このあたりをテーマに不定期に配信します
読書、家庭菜園、家族、Python、機械学習、筋トレ

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