今回紹介する本は、佐渡島庸平さんの「観察力の鍛え方」。
佐渡島さんの本の中では、比較的わかりやすい直感的なタイトルとなっていますw
「いいクリエイターの条件は何ですか?」と問われた際、佐渡島さんは決まって「観察力だ」と答えるそうです。
「観察力」を鍛えると、ドミノ倒しのように他の能力も磨かれていく。
そもそも、「観察力」とは何か。
本書は、「宇宙兄弟」や「ドラゴン桜」等のヒット漫画を世に送り出してきた稀代の編集者である佐渡島庸平さんが、
「観察力」について自らの考えを述べ、深掘りしていく内容となっています。
この記事を書いているGeroge(父)は、都内在住のごく一般的なサラリーマン(管理職)。通勤電車のほぼ全てを読書に費やし、ビジネス書を中心に年間100冊程度の本を読んでいます。(プロフィール)。
- 稀代のクリエイター、佐渡島庸平の思考回路を覗きたい方
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観察とはなにか
観察とはなにか?
あらためて聞かれると困っちゃいますよね。
観察といえば、小学校1年生で必修の「朝顔の観察」を思い出します。朝顔の絵を描いて、その下に気づいた点を書き記しました
小学校1年生の必修授業となっているくらいだから、「観察」はさぞ大切な能力なのであろうことが推察されます。
「観察」は、「観て(みて)、「察(さっ)する」と書きます。
ただ見るだけではなくて、「察する」、ことに重要な意味がありそうだなぁとか漠然と考えていたところ、
渋沢栄一さんの名言を思い出しました。
この言葉の意味ですが、
まず、人の行動を肉眼であるがままに「視る」ことで、行動そのものの善悪を判断する。
次に、その行動に至った背景を心眼により「観て」、「察する」ことで、その人の本質がわかる。
なるほどーと思ったのが、「心眼」。
読んで字の如くですが、心の眼、です。
「観察」とは、
朝顔の観察のように「目で見える範囲を超えた「何か」を心の目で観ることで、物事の「本質」を見極めること」、
といえそうです。
辞書でも調べてみました。
物事を注意深くよく見ること
(出典)小学館 国語辞典
難しく考えすぎました……
然はさりながら、そんな「観察(力)」をこれでもかと深掘っている点が本書の面白いところ。
さすが佐渡島さん。思考が深いです
良い観察と悪い観察
佐渡島さんは、「観察力」を磨くことでドミノ倒しのように他の能力も磨かれていく、と述べています。
どういうことか。
佐渡島さんの考える「良い観察」とは、
ある主体が、物事に対しての仮説を持ちながら、客観的に物事を観て、仮説とその物事の状態のズレに気づき、仮説の更新を促すもの
「観察力の鍛え方」
科学の世界の実験プロセスはまさにこれ。
ビジネスでも、クリエイティブの世界も一緒なんですね。
わかりやすい
一方、悪い観察とは、
仮説と物事の状態に差がないと感じ、わかった状態になり、仮説の更新が止まってしまうもの
「観察力の鍛え方」
安易に分かった気になっちゃだめ
「分かった気になってはいけない、本当は分かっていないのだから」。
言葉の意味って人によって受け止め方が大きく異なるので、「共感」というものは幻想に過ぎない。
この点を理解しているかしていないかで、コミュニケーションの質が変わります。
さらに詳細が知りたいという方は、具体と抽象で有名な細谷功さんと佐渡島さんの対談本、
「言葉のズレと共感幻想」を読んでみましょう。
「会話は猿の毛づくろいのようなもの」という言葉が心に沁みました……
良い観察か悪い観察かを判断するポイントは、「主体性を保ちながらどこまで「客観的」に観ることができるか」に尽きます
観察力を磨くには!?
良い観察の輪郭がなんとなく掴めたところで、では、どうすれば観察力が身につくのか!?
テクニック的なものを含めていくつか紹介されていますが、結局のところ「魔法の杖はない」というのが私の印象。
ただ、その中でも印象に残ったものを挙げるとすれば、「徹底して真似ること」。
なぜなら、本気で真似ようと思えば、自然と「観察力」が必要とされますし、
真似ることで、観察の妨げとなる主観を排除できるから。
「真似る」ことはクリエイティブの世界でもとても重要で、起点となる行為です。
「創造は真似ることから始まる。何もないところからは、オリジナリティは生まれない。まずは徹底してカタを身につけろ!」。
ドラゴン桜の桜木先生の言葉です。
観察を妨げる要素とは!?
今度は観察を妨げる負の要素を見てみましょう。
観察とは目で見ているようで、結局は「脳」で観ています。
この、結局は「脳」であるという点が厄介で、脳はさまざまなバイアスの影響を受けます。
認知バイアスと言われる分野ですが、以下の記事が詳しいので、興味ある人は読んでみましょう。
人の脳にはさまざまな認知バイアスがかかっていることがわかっていますが、
どのようなバイアスがあるのかを知っているだけで、一番難しい観察対象である自分への理解が深まると思っています。
そして、自分を観察すること以上に難しく、また面白いのが人の「感情」。
「感情」について理解を深めるには、「プルチックの感情の輪」とい理論がおすすめです。
これも「感情はすぐに脳をジャックする」の中で佐渡島さんが詳細に掘り下げているので、興味がある方はこちらの記事も読んでみましょう。
感情にいいも悪いもなく、1つの出来事に対して、たった1つの感情にしかなれないことはない。
しっかりと自分の感情を観察すれば、「怒り」を手放して「悲しみ」を感じることだってできる。
その先には「安らぎも」
引用:「観察力の鍛え方」
まとめ
「観察力の鍛え方」を紹介しようと思ったのに、結果としては「佐渡島庸平さんの書籍 おすすめ3選!!」のような記事になっちゃいました……
本書を読んで、
「観察力」って全ての能力の基礎となる能力なんだなと、あらためて感じました。大事な能力ですね。
考えている以上に、意識して実践していくこと簡単ではないと思いますが、やる価値はあります。
最後に、本書を読んで印象に残っていた言葉を紹介して終わりにしようと思います。
ちなみに、以下は勝間和代さんの言葉らしいです。
この言葉から、不幸な出来事が起こった際の対処法なんかを佐渡島さんが解説されているのですが、
これも「観察力」の賜物。
「他者の言葉を引用する」、すなわち「真似る」を徹底している感じですw
少し哲学的な雰囲気もありますが、色々と考えさせられました。
佐渡島庸平さんのファン以外の方にもぜひ読んでいただきたい1冊です。
少してんこ盛りではありますが……
最後まで読んでくれて、ありがとうございました〜。
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